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「攻撃のところでも違いが作れる」電撃復帰のドイツ人MFに三笘薫も期待。優れたポジショニングとパス精度「僕自身も良さが分かっている」【現地発】

カテゴリ:海外日本人

田嶋コウスケ

2026年01月15日

2023年9月の日本戦でA代表デビュー

今冬にドルトムントから1年半ぶりに復帰したグロス。さっそく重要な戦力として奮闘している。(C)Getty Images

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「カォルーー!!!」

 クラブ公式サイトに掲載された一本の動画に、冬の移籍市場でドルトムントから電撃復帰したパスカル・グロスの姿があった。私服姿のグロスの先には、笑顔で迎える三笘薫がいた。表記は「Kaoru」だが、グロスの発音は「カルー」に近い。二人は握手し、ハグを交わした。

 そして、主将のルイス・ダンク、GKジェイソン・スティールといった、ブライトンで古くからプレーする仲間たちとも会話を交わす。1年半ぶりに復帰したグロスを中心に、4人は自然と笑みがこぼれた。

 ドイツ人のグロスは2017年、イングランド2部からプレミアリーグに昇格したばかりのブライトンにドイツから移籍した。当時を知るクラブ番記者のアンディ・ネイラー氏によると、「加入当時のグロスは創造性豊かなトップ下の選手だった」という。

 しかしシーズンを重ねるごとに、目立っていったのはユーティリティ性。本職のトップ下はもちろん、セントラルMFや両サイドバック、ウイングをこなすマルチープレーヤーに進化していった。そんなグロスを、サポーターは親しみを込めてこう呼んだ。ドイツ人にちなんで「カイザー(皇帝)」と。

 一方の三笘がブライトンに復帰したのは2022年夏のこと。ベルギーのユニオンSGへのレンタル移籍を経て、イングランド南部ブライトンの一員になった。
 
 三笘とグロスは2シーズンを共に戦い、イタリアの智将ロベルト・デ・ゼルビ監督の下で華麗なアタッキングフットボールを奏でた。グロスの在籍時、三笘はドイツ人MFをこう評していた。

「どのポジションでもプレーできますし、どこでも高いクオリティを見せています。潤滑油のように、他の選手の間(あいだ)に立って、味方の選手のクオリティをうまく引き出しています。しかもアシストもたくさんできる。僕もたくさん助けてもらってますし、貢献度は計りしれないです」

 興味深いのは、グロスの経歴だ。

 21歳からプレーしたドイツのインゴルシュタットでは、3シーズンをドイツ2部で戦った。その後の2シーズンは、ブンデスリーガで活躍。26歳でブライトンに加入したものの、ドイツのA代表歴はまったくなかった。

 このままA代表と無縁のキャリアで終えると思われたが、ブライトンで次第に評価を高め、2023年9月に行なわれた強化試合の日本戦でA代表デビューを飾った。この時、なんと32歳。英メディアが「おとぎ話」と評したように、グロスは遅咲きの苦労人だ。

 そして、このままブライトンで現役を終えるのでは──。誰もがそう思っていた矢先の24年夏、グロスは「幼い頃からのファンだった」というドルトムントへの移籍を発表した。7シーズンにわたって在籍したブライトンを去ったのだ。

 そのグロスが、今冬の移籍市場で1年半ぶりにブライトンへ復帰した。ドルトムントでは出場機会に恵まれず、そんな状況にあったドイツ人MFに、ブライトンが白羽の矢を立てた。中盤のカルロス・バレバには移籍報道が出ており、チームとしてはMFの穴を埋める必要があったからだ。

 1月2日に移籍が決まり、翌3日のバーンリー戦でベンチメンバー入りを果たした。グロスによると、「移籍が決まりそうだ」と分かったのは12月31日で、その2日後にイングランドに渡ったという。
 
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