【大岩ジャパン最新序列】命運を握る大関友翔と佐藤龍之介。前線は個性的な選手がずらり

カテゴリ:日本代表

松尾祐希

2025年12月29日

年上の相手に対し、どんな戦いを見せるのか

大岩ジャパンの最新序列。

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 U-23アジアカップが2026年1月7日に幕を開ける。決戦の地はサウジアラビア。今回の結果は、ロス五輪の最終予選を兼ねた28年開催予定のアジアカップのポット分けに大きく関わる。

 直近3大会の結果をベースに振り分けられるが、前回大会の成績が組分けに最も加味されるレギュレーション。前回のパリ五輪でアジアの出場枠は「3.5」だったが、ロス五輪では出場チーム数が12か国となり、アジア枠は「2」になっている。これを踏まえても今回のU-23アジア杯では最低でもベスト4以上に入りたい。

 12月28日に大岩剛監督が率いるU-23日本代表のメンバーが発表された。大学生を除く国内組はシーズンオフの時期だ。21日からスタートした直前合宿ではコンディション調整がメイン。『IBARAKI Next Generation Cup2025』でも出場時間を制限しながらの活動となった。

 GKは荒木琉偉(G大阪)が正守護神候補。今年9月のU-20ワールドカップでは大会直前にA代表経験者のピサノ・アレクサンドレ幸冬堀尾(名古屋)にポジションを奪われたが、実力は折り紙つきだ。2007年生まれで2年後のU-20ワールドカップを目ざせる世代だが、194センチのサイズを活かしたプレーが評価されて飛び級招集となった。負傷によりピサノがアジア杯に参加しないため、荒木が最もレギュラーの座に近い存在だろう。

 CBはU-20W杯でキャプテンを務めた市原吏音(大宮)が軸となる一方で、相方争いは横一線。185センチの高さと速さで勝負する岡部タリクカナイ颯斗(東洋大)、リーダーシップと球際に強い永野修都(鳥取)、クレバーな守りに定評がある土屋櫂大(川崎)が、コンディションや相手次第で起用されそうだ。

 右SBでは梅木怜(今治)、森壮一朗(名古屋)がレギュラー候補となり、190センチの小泉佳絃(明治大)も招集。左SBでは本職が関富貫太(桐蔭横浜大)しかおらず、梅木を左サイドに回すかもしれない。
 
 アンカーは石渡ネルソン(C大阪)と小倉幸成(法政大)の2人が争う構図だ。いずれもU-20W杯に出場しており、実力は甲乙つけ難い。前者は推進力と展開力に加え、フィジカルの強さにも定評がある。後者は守備能力に長けており、運動量も豊富。大会では攻撃の時間が長くなる可能性が高いだけに、現時点では攻撃力に優れる石渡をスタートから起用するゲームが増えそうだ。

 インサイドハーフは大関友翔(川崎)と佐藤龍之介(FC東京)のA代表経験者コンビが柱となる。両者ともボールの引き出し方が上手く、決定的な仕事も期待できる。チームの命運を握っているといっても過言ではないだろう。継続して大岩ジャパンに招集されている嶋本悠大(清水)、川合徳孟(磐田)も力があり、どこまで戦えるかにも注目したい。

 前線は個性的な選手が揃う。左サイドの横山夢樹(C大阪)、石橋瀬凪(湘南)はともに個で打開でき、自らフィニッシュに持ち込むことが可能。右サイドの古谷柊介(東京国際大)と久米遥太(早稲田大)は周りを上手く使いながら崩していく。異なるタイプのアタッカーを両サイドに揃えており、攻撃のバリエーションに幅をもたらす。

 最前線は今大会唯一の海外組となる道脇豊(ベフェレン)とンワディケ・ウチェブライアン世雄(桐蔭横浜大)がポジションを競う。いずれも高さがあり、速さも兼ね備える。コンディションを見つつ、状態が良い選手を使うプランとなりそうだ。

 日本の初戦は7日のシリア戦。チームは2005年生まれの選手をメインだが、他国は23歳以下の選手をベースに編成してくることが予想される。年上の相手に対し、どんな戦いを見せるのか。ロス五輪を目ざす若き代表戦士の奮闘に期待したい。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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