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「まともに練習もさせてもらえない」不遇のアンデルレヒトを飛び出した“20歳日本人FW”がさっそく新天地デビューで存在感!「STVVならパスが来る」【現地発】

カテゴリ:海外日本人

中田徹

2025年08月09日

4番手ストライカーの現実。「試合が終わったら走れよ、とも言われました」

移籍決定の翌日、STVVデビューを果たした後藤(手前)。わずか10分間の出場も頻繁にプレーに絡んだ。(C)STVV

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 ベルギーリーグ第2節、アンデルレヒト対ウェステルロー(5-2で前者が勝利)の試合後、ミックスゾーンで坂本一彩(ウェステルロー)を待っていると、少し離れたピッチの上で後藤啓介が明るい表情でダッシュを繰り返しているのが見えた。

 アンデルレヒトのメンバー表に彼の名は無かった。体調不良の選手や負傷上がりの選手をウォーミングアップでチェックして、試合に出られないとなったときに、後藤がメンバー入りするはずだったのだろう。しかし、彼がその試合に関わることはなかった。試合後、仲間とともに笑顔で汗を流す後藤は内心、怒りの気持ちがあったはずだ。

 あれから5日。シント=トロイデン(以下STVV)の一員になった後藤は8月8日のデンダー戦(2-0で勝利)後、ウェステルロー戦での出来事を振り返った。

「もう(招集外なのは)分かっていた。あのときは『ドルベリ(ストライカー陣のひとり)が無理だったらベンチに入ってもらう』と言われていた。『試合が終わったら走れよ』とも言われました。ああいうのも慣れっこ。もちろん悔しかった気持ちはありますけれど、やるべきことをやっていればチャンスは来る。ゴールを取るためにコツコツやるしかないと思ってました」

 過去1年半、アンデルレヒト・フューチャーズ(リザーブチーム)のエースとしてベルギー2部リーグ31試合で13ゴールを決めた後藤は、今年に入ってからトップチームでプレーする機会を得て10試合出場3ゴールと今季につながる結果を残したはずだった。プレシーズンではゴールを固め取りした。

 しかし、カスパー・ドルベリ、ルイス・バスケスの牙城を崩すことはできず、開幕直後には昨季の得点王アドリアーノ・ベルタッチーニがSTVVから移籍してきた。つまりアンデルレヒトでの後藤の序列は4番手ストライカー。とてもコンスタントにトップチームで試合に絡めるような状況ではなかった。後藤は「代理人と毎日のように連絡を取って、『早く自分を移籍させてほしい』と伝えていた」という。後藤にはブンデスリーガやリーグ・アンのクラブから話が来た。だが後藤はあえてベルギー1部リーグに留まり、STVVでプレーする道を選んだ。

「(24年1月に)ジュビロ磐田からアンデルレヒトにレンタルで移籍しました。それから自分を買い取るかどうするかというときに、STVVが僕に声をかけてくれていたんです」と、24年12月のアンデルレヒト完全移籍直前にもSTVVから誘われた縁があったという。

「今回、アンデルレヒトからは『1年レンタルでしか出さない』と言われてました。この1年で自分がどう結果を残すか考えました。ドイツやフランスに行くと言語や環境が変わってしまう。自分はそういったピッチ外でのストレスというのをできるだけ減らしたかった。STVVには日本人がたくさんいるので、『パスが来るな』と感じた。オフ・ザ・ピッチでもオン・ザ・ピッチでもできる限りのストレスを無くしたかった。(自分の下した決断に)いろんな声があると思いますけれど、1年という短い時間で目に見える結果を出すことが重要だと思ったので、ここを選びました」
 
「STVVならパスが来ると思った」という言葉通り、80分から出場した後藤に向かって、MF伊藤涼太郎から何本もパスが来た。
 
「伊藤選手が新潟にいる頃からファンタジスタでスルーパスとか出せるのは知ってました。真ん中の縦のラインには伊藤選手、谷口彰悟選手(+GK小久保玲央ブライアン、MF山本理仁)、サイド(DF畑大雅、MF 松澤海斗)もそう。いいところに日本人がいる。アンデルレヒトでは(右SBの)ルイ・パトリスを見ていたので、良いボールが上がってくるのは知っていた。だから自分にチャンスが増えると思ってました」

 デンダー戦で見せたパトリスからの低いクロスに、後藤が思い切って突っ込んでいったのは、元チームメイトだったからこその動き出しだったわけだ。

「アンデルレヒトにいたときは『ベンチに入れないだろうな』とか『練習しても意味がないだろうな』という気持ちを持ってしまった。練習も楽しくない。(欧州カップ戦もある過密日程のなか)ずっと連戦なので、控え組にも入らないメンバーはまともに練習もさせてもらえないし、気持ちもネガティブになってきた。STVVでは少なからず使われる可能性が広がっているのでワクワクしている。今日も短かったですけれど楽しかったです。ワクワクしている感じです」
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