近年の高校サッカー界を語るうえで、青森山田の存在は欠かせない。選手が入れ替わるなかでもメインキャストを張り続け、圧倒的な強さを誇示してきた。
松木玖生(現・ギョズテペ)らを擁した21年度にはインターハイ、選手権、U-18高円宮杯プレミアリーグEASTを制して3冠を達成。黒田剛監督(現・町田監督)が22年度限りで退任した後も、ヘッドコーチから昇格した正木昌宣監督が選手たちを鍛え上げ、23年度にU-18高円宮杯プレミアリーグファイナル(EASTとWESTの優勝決定戦)と選手権で優勝を果たした。
しかし――。正木監督就任2年目の昨季は苦戦。プレミアリーグEASTは序盤から勝点を伸ばせずに8位で終わり、インターハイはベスト8止まり。優勝候補の一角と目されていた選手権では初戦となった2回戦で敗れた。
そうした状況下で迎えた新シーズン。捲土重来を期すチームはいきなり苦境に直面する。1月下旬の東北新人戦ではまさかの準々決勝で敗退。長きに渡って東北で鎬を削ってきたライバルの尚志に完敗。前半を1-0で折り返しながら、後半に4失点。“らしくない”守備で苦渋をなめた。
あれから1か月半。生まれ変わるべく、青森山田は奮闘を続けている。
3月12日から16日まで福岡県の宗像市で開催されたサニックス杯国際ユースサッカー大会2025。結果は16チーム中11位に終わった。4チームで争われたグループステージは上海申花(中国)の下部組織や、今季からプレミアリーグWESTを戦う福岡U-18に負け、1勝2敗の3位に終わった。
9位-12位決定戦でも初戦で鹿児島城西に1-3で敗れた。守備面は依然として課題を残し、“脆さ”を露呈。守護神の松田駿(新3年)がU-17高校選抜、185センチの大型CB月舘汰壱アブーバクル(新3年)もU-18日本代表の活動で不在だったが、最終ラインの背後を何度も取られてピンチを招くシーンが頻発した。
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東北新人戦ではまさかの8強敗退
11位決定戦のリライアンス戦も、7-0と完勝したが最終ラインが不安定。正木監督が選手たちにさらなる成長を求めたのも納得がいく。
「ゴールを取ろうとする意識が高すぎて、守備を疎かにしてしまうところが気になる。そこは改善できるポイント」
一方で明るい兆しもある。それが選手層の拡充だ。「昨年のインターハイで優勝した昌平にしても、プレミアリーグを制した大津にしても、選手権を奪った前橋育英にしても選手層が厚かった。そこが大事になってくる」と指揮官は口にする。昨季はレギュラー組と控え組の力量差が大きかった。特に選手権とインターハイは過密日程を乗り切らなければならず、誰がピッチに立っても結果を残せる状態でなければならない。
だからこそ、サブ組の底上げは急務。主力組が数名不在だったこともあり、今回のサニックス杯では様々な組み合わせを試した。「前線に関して2セット分くらいは目処が立った。中盤も選手を入れ替えても問題はない」と正木監督も手応えを掴んでおり、4月5日に迎えるプレミアリーグEASTの開幕戦(FC東京U-18戦)に向けて仕上がりつつある。
キャプテンで10番を背負うMF小山田蓮(新3年)は言う。
「誰が出ても日本一を狙えるチームを目ざす」
2年連続で無冠に終わるわけにはいかない。強度の高い守備と勝負強さにこだわりながら、さらなる進化を求めて邁進する。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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「ゴールを取ろうとする意識が高すぎて、守備を疎かにしてしまうところが気になる。そこは改善できるポイント」
一方で明るい兆しもある。それが選手層の拡充だ。「昨年のインターハイで優勝した昌平にしても、プレミアリーグを制した大津にしても、選手権を奪った前橋育英にしても選手層が厚かった。そこが大事になってくる」と指揮官は口にする。昨季はレギュラー組と控え組の力量差が大きかった。特に選手権とインターハイは過密日程を乗り切らなければならず、誰がピッチに立っても結果を残せる状態でなければならない。
だからこそ、サブ組の底上げは急務。主力組が数名不在だったこともあり、今回のサニックス杯では様々な組み合わせを試した。「前線に関して2セット分くらいは目処が立った。中盤も選手を入れ替えても問題はない」と正木監督も手応えを掴んでおり、4月5日に迎えるプレミアリーグEASTの開幕戦(FC東京U-18戦)に向けて仕上がりつつある。
キャプテンで10番を背負うMF小山田蓮(新3年)は言う。
「誰が出ても日本一を狙えるチームを目ざす」
2年連続で無冠に終わるわけにはいかない。強度の高い守備と勝負強さにこだわりながら、さらなる進化を求めて邁進する。
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