8試合で9ゴールのペースは史上二番目。中山雅史の偉大な背中を追う。
5月2日の次節は、アウェーの浦和戦。第1ステージの優勝を占う大一番となるうえ、自身にとってはクラブ新記録の7試合連続ゴールも懸かっている。さらに、その視線の先に見据えるのは「Jリーグ得点王」だ。
歴代のJ1リーグ得点王と宇佐美の「1試合平均得点率」を比較したのが、上の表だ。歴代トップは中山雅史の「1.33得点」(98年)。8試合で9ゴールの宇佐美は、それに次ぐ「1.13得点」と史上二番目の得点率をここまで叩き出している。オフ・ザ・ボールの質がさらに向上すれば、このまま高い数値を維持するのは決して不可能ではないだろう。もっとも、本人は目の前の“7試合連続ゴール”に焦点を合わせている。
「(過去にG大阪で6試合連続ゴールは)6人いたけど、7試合目の高い壁が待っているだろうし、過去に誰もいないというのはたぶんそういうこと。未知の領域に挑むのは、僕としては新たなチャレンジ。7試合連続ゴールになればひとり。その響きは嫌いじゃない。それを達成できるように、そしてチームが勝つように、そのふたつを両立したい」
前人未到の領域へ――。これはまだ「宇佐美伝説」の序章に過ぎないのかもしれない。
取材・文:大木 勇(サッカーダイジェスト編集部)