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市川大祐が見たメキシコ戦、際立っていた林大地と遠藤航の貢献。交代選手たちの奮起が今後の躍進のカギだ!【東京五輪】

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェストWeb編集部

2021年07月27日

どこかで必ず耐える時間帯は出てくる

市川氏は、上田(左)、三笘(右)らに、どこかできっかけを掴む活躍を期待したいという。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 その一方で失点してしまうまでの流れで見えた課題もあります。

 後半はボールを前線で収められなくなり、メキシコがより攻勢を強めたことで、少しスペースもできてしまいました。

 そして退場者が出て、1人少なくなった相手にFKからゴールを奪われました。まず、セットプレーでは人数差がそこまで関係しなくなります。相手が前に出てくることで、接触する場面も増えますが、いかに冷静に対処しファウルをしないかということも重要です。自分たちの中での線引きも必要で、どこまでなら強く出ても良いのか、どの位置ならファウルを避けなければならないのか、そういう技術や判断も問われてくると思います。

 メキシコ戦のように優位性をもって進めた試合でも、もちろんどこかで必ず耐える時間帯は出てきます。

 メキシコに終盤追い上げられてしまったのは、交代選手たちが監督の期待したようなプレーがなかなかできなかった点にあると思います。猛暑の過密日程で、今後は負けたら終わりの状況が続きます。交代で入った選手のエネルギーやフレッシュさをチーム力にどうプラスできるのか。

 メキシコ戦では上田綺世選手は裏に抜ける動きや、前線で起点になること。三笘薫選手であれば相手が10人になったところでの仕掛けですよね。前田大然選手も背後へのランニング、特に堂安選手が相手に倒されて相手の退場を誘ったシーン。ああいうプレーをやってほしかったのだろうと思います。

 上田選手、三笘選手は怪我明けでコンディション的なところや、試合勘がまだ整っていないように感じました。

 いくらトレーニングで良くても、実際に試合で動く時はやっぱり違うもの。ちょっとした呼吸の上がり方や乳酸の溜まり方、身体が少し重く感じるなど、トレーニングとの違いはあります。さらにコロナ禍でのオリンピックという特別な大会なので、緊張感、いろんな環境が作用すると思います。
 
 初戦で長い時間プレーしていた選手たちは堅さも取れて、良いプレーができていました。交代出場の選手たちも、例えば上田選手がゴールを決めればガラッと変わることもあるでしょうし、何らかのきっかけがあればさらに良くなることも考えられます。

 ここまでの2試合でチームのベースは確立されたと思います。多くの選手が不動な一方で、1戦目では三好康児選手、2戦目では相馬選手と使い分けたように、相手の戦い方や選手の特長によっての傭兵も見せています。

 引いてくる南アフリカにはコンビネーションや人を使うプレーを持ち味とする三好選手を、前に出てくるメキシコにはより個人での突破を強みとする相馬選手を使い分けました。

 オーバーエイジに守備能力の高い吉田麻也選手、遠藤選手、酒井選手を招集し守備から入るというメッセージを出した一方で、その土台の上に個人の特長を組み合わせた選手起用をしています。

 良い守備があるからこそ、良い攻撃に繋がる。後ろの守備が安定しているからこそ、思い切って前で勝負できる。結果が出ていることで自分たちのサッカーについての自信も生まれる。

 試合をやることで、選手たちの意思統一も図れて、共通理解を持っている、自分たちの芯となるような、立ち帰れる場所があるのが今のチームの強みです。

 まだグループステージ突破は決まっていないですが、次のフランス戦ではここまで積み上げたベースに、出場機会が少なかった選手たちがいかにプラスアルファをもたらせるか。途中から出場した選手たちがいかに流れを変えられるか。後の無い状況のフランスをさらに窮地に追い込むような先制点を奪えるか。

 いろんな選手たちがきっかけを掴み、チームを好循環へ回していければ、その先も見えてくるのではないでしょうか。

【著者プロフィール】
市川大祐(いちかわ・だいすけ)/1980年5月14日、静岡県出身。現役時代は日本代表の右サイドバックとして活躍したクロスの名手。1998年に17歳でA代表デビューすると、2002年の日韓W杯でも活躍。アカデミー時代から過ごした清水ではクラブ歴代3位となる325試合に出場した。2016年に現役引退後は指導者の道に進み、現在は清水エスパルスJr.ユースU-15で監督として活躍中。

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