武藤が倒され、太田が蹴る。今やセットプレーこそが生命線に――。
ひとつ目の勝因が攻撃的な守備なら、ふたつ目のそれは川崎の左SB・車屋の退場だろう。ペースを掴んだ後半のFC東京は、武藤のドリブルを頼りにカウンターを仕掛けていたが、その武藤が果敢な突破で車屋のファウルを誘ったのだ。
車屋は前半にイエローカードをもらっていたにもかかわらず、安易にも“罠”に嵌って64分に二度目の警告。泣く泣くピッチを後にした。大久保が「退場がなければ、あと2、3点は取れた」と言うように、試合の潮目を変えるポイントになった。今回の多摩川クラシコは、両チームともに前節から中2日で臨んでいる。疲労を考えれば、FC東京があの時間帯に数的優位に立てたのはとてつもなく大きかったのだ。
そして3つ目の勝因がセットプレーだ。52分に武藤がエリア内で空振り、65分、66分にはいずれも東が決定機逸と、流れのなかからゴールを奪えずにいたFC東京を救ったのは左SBの太田だった。
71分に25メートル弾のFKを直接沈めると、87分には左CK付近のFKから武藤の決勝点をアシスト。7節の山形戦、8節の新潟戦に続き、またしても黄金の左足でゴールに絡んだ太田の働きについて、武藤も「太田選手の素晴らしいFKと自分へのアシストがなければ逆転できていなかった。彼がMVPだと思う」と賛辞を贈っていた。
シーズン開幕直後は武藤の個人技でゴールをもぎ取っていた印象もあったFC東京が、今やセットプレーこそ生命線になりつつある。太田は言う。
「(セットプレーには)とことんこだわっています。1試合に1回は必ず決定機を作れているので、自信を持って蹴れています。とりあえずゼロに抑えるという守備的なスタンスでやっている以上、セットプレーは本当に重要。これからも大事にしていきたいです」
忘れてはならないのが、潰れ役の存在だ。この川崎戦も、ふたつのゴールにつながるFKを獲得したのはいずれも武藤だった。加えて言えば、山形戦でも太田が直接叩き込んだFKを得たのは武藤だった。
武藤が倒されても、太田がいる──。もはやこれが、FC東京の“勝利の方程式”(ゴールパターン)と言っても過言ではない。
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
車屋は前半にイエローカードをもらっていたにもかかわらず、安易にも“罠”に嵌って64分に二度目の警告。泣く泣くピッチを後にした。大久保が「退場がなければ、あと2、3点は取れた」と言うように、試合の潮目を変えるポイントになった。今回の多摩川クラシコは、両チームともに前節から中2日で臨んでいる。疲労を考えれば、FC東京があの時間帯に数的優位に立てたのはとてつもなく大きかったのだ。
そして3つ目の勝因がセットプレーだ。52分に武藤がエリア内で空振り、65分、66分にはいずれも東が決定機逸と、流れのなかからゴールを奪えずにいたFC東京を救ったのは左SBの太田だった。
71分に25メートル弾のFKを直接沈めると、87分には左CK付近のFKから武藤の決勝点をアシスト。7節の山形戦、8節の新潟戦に続き、またしても黄金の左足でゴールに絡んだ太田の働きについて、武藤も「太田選手の素晴らしいFKと自分へのアシストがなければ逆転できていなかった。彼がMVPだと思う」と賛辞を贈っていた。
シーズン開幕直後は武藤の個人技でゴールをもぎ取っていた印象もあったFC東京が、今やセットプレーこそ生命線になりつつある。太田は言う。
「(セットプレーには)とことんこだわっています。1試合に1回は必ず決定機を作れているので、自信を持って蹴れています。とりあえずゼロに抑えるという守備的なスタンスでやっている以上、セットプレーは本当に重要。これからも大事にしていきたいです」
忘れてはならないのが、潰れ役の存在だ。この川崎戦も、ふたつのゴールにつながるFKを獲得したのはいずれも武藤だった。加えて言えば、山形戦でも太田が直接叩き込んだFKを得たのは武藤だった。
武藤が倒されても、太田がいる──。もはやこれが、FC東京の“勝利の方程式”(ゴールパターン)と言っても過言ではない。
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)