ダブルボランチは、CBや左SBもこなせるが、このチームでは主に中盤を担ってきたキャプテンの中山雄太は外せない。昨年１月のU－23アジア選手権・グループステージ第３戦（カタール戦）でレッドカードを受けた田中碧がこの試合で出場停止となるため、もうひとりは落ち着き払った捌きができる田中駿汰が起用されるだろう。渡辺皓太は中盤を活性化する切り札的存在だ。

　堂安律が故障で辞退となった２列目は、左サイドに三笘薫、トップ下に久保建英、右サイドは三好康児が配されそうだ。とりわけ注目を集めているのが、10代にして世界最高峰のラ・リーガでプレーする久保と、昨季のJリーグで大ブレイクした三笘の“初共演”。ともに川崎の下部組織出身で「個人的に交流がある」（久保）２人の俊英アタッカーがどんなハーモニーを奏でるか。

　クラブで出場機会に恵まれていない久保と三好はスタミナ面に不安を残すため、相馬勇紀と食野亮太郎が控えているのは心強い。旗手が本職のサイドハーフでプレーする可能性ももちろん考えられる。
 

　このチームで前線の軸となってきた上田綺世が故障明けということもあって招集外となったCFは、田川亨介と、堂安に代わって初選出された林大地の争い。まずはこのチームでの実績で勝る田川が先発の座を射止めそうだ。FC東京でともにプレーした久保との“縦関係”については、「タケはしっかりとボールを持てる選手なので、そこは任せつつ、良いところに顔を出すのが自分の仕事」と語り、連係には自信を持っているようだ。

　約１年２か月ぶりとなる実戦で、五輪代表が強豪を相手にどんなプレーを見せるのか。注目の一戦が幕を開ける。

　取材・文●江國森（サッカーダイジェストWeb編集部）