【フランス人記者の見解】ハリルホジッチの人柄と手腕

カテゴリ:日本代表

ヴァンサン・デュリュック

2015年03月14日

スター軍団より、成長途上の選手たちを上手く管理できるタイプ。

コートジボワール代表ではドログバ(右)らスター選手を束ねたが、ビッグクラブを率いた経験はない。 (C)Getty Images

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 ハリルホジッチ自身は常に、「自分にはヨーロッパのビッグクラブの監督になる価値が十分にある」と考えていた。だがここまでのところ、ビッグクラブの会長は誰も、彼に監督の座を託したことがない。
 
 ある日彼は、私たちにこう言ってきたものだった。
「私がレアル・マドリーを率いられるということを、あなた方はなぜ信じないのか?」
 
 ハリルホジッチはスター軍団より、成長途上の選手たちを上手く管理できるタイプだ――我々が議論の末にそう報じた翌日のこと、彼がその記事を知って電話してきたのだ。
 
 ハリルホジッチは指導者となってからの25年の間に、クラブと代表を合わせて12のチームの監督を務めてきた。今回の日本代表監督が、彼にとって13番目の仕事となる。監督を務めていくうえで、彼が常に周囲との”紛争”を求めているのかは分からないが、これまで絶えずそうした出来事があったのも事実だ。
 
 ブラジル・ワールドカップの決勝トーナメント1回戦で、後に優勝するドイツを相手に見事な戦いを見せ、アイコン(聖人像)とさえなったあのアルジェリアでも、ハリルホジッチ監督と同国サッカー連盟会長のラウラ氏との関係は修復不可能な状態だったのである。
 
 こうした点を踏まえると、日本代表監督というのは彼にとって、最適な働き場所であるように思える。
 
 現在の日本代表は、すべてを灰の中から再建しなければならないような壊滅的な状態ではないため、無駄な時間を費やすことなく仕事に取りかかれる。しかもディシプリン(規律)をひとつずつ、忍耐強くチームに植え付けることに必死になる必要もない。アルジェリアと違って、ピッチ外の問題が少ない日本の環境下であれば、彼のチーム作りはよりスムーズに進んでいくのではないだろうか。
 
文:ヴァンサン・デュリュック(『レキップ』紙)
翻訳:結城麻里
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