3-4-2-1同士だったからこそ際立った浦和の個の能力の高さ。
両チームの選手はこの開幕戦で、「まず自分たちのスタイルを貫くこと」を重視していたと声を揃えた。
浦和は公式戦3連敗していたとはいえ、「3年間しっかり積み重ねてきた自負がある。ブレることはない」と宇賀神は強調。一方、湘南の遠藤も「チャンスを作れていたし、ブレずにやっていくことが大事」と同様のことを言っていた。
ただ、相手チームに対するより具体的な対策を練っていたのは、勝った浦和のほうだった。
右WBで先発したチーム最年長35歳の平川は、次のように語っている。
「湘南は、ボールを高い位置で奪ってそのままシュートまで持ち込むショートカウンターを狙っている。だから、本来ウチはポゼッションが武器のチームではあるけど、あえてボールを持たせるのもひとつの作戦だった」
湘南がボールを持ってどのように仕掛けるか模索する間に、陣形を整える。整えたら、逆にハードワークが武器の石原、高木、武藤らがプレッシングを仕掛ける。
3-4-2-1同士だからこそ、マッチアップ時に個の能力差がはっきりと出た。ペトロヴィッチ監督がハードワークを厭わぬこの3人を前線に並べた意図は、そのあたりにもあったのだろう。
実際その戦法に、湘南の選手たちは戸惑った。湘南の右WB古林は次のように語っていた。
「(浦和は)わざとボールを持たせてきていた。取りに来なかった。それでナオキさん(石原/元湘南)や攻撃の選手が良い意味で前のほうに残っていて、そこにロングボールを入れて上手く収めてきたり。攻める時と守る時、そのあたりが上手かった」
結局、湘南の絶好機は24分、三竿の豪快なオーバーラップからのクロスに、大槻が合わせたシーンぐらい。ある浦和の選手は、「(湘南の攻撃は)怖くなかった」と言っていた。
加えて浦和は天候も計算に入れていた。
上空には中風が吹いていて、前半は風下、後半は風上に立った。そこで後半は湘南のプレッシングを受ける危険を感じたら、無理をせず風を活かしてロングボールを裏のスペースに蹴り込むのもありだ、という指示が出ていたという。本来の武器であるパスにこだわらなくていい。その意識がチーム内で共有できていたからこそ、フリーランを怠らぬ武藤や石原の汗を流すプレーも活きた。
決して湘南も浦和対策を疎かにしたわけではない。ただ様々なシミュレート(想定)が、より現実的で、しっかりハマったのは、浦和だった。
一方、両チームの課題も浮き彫りになった一戦だった。
浦和は個の能力の差を見せ付け、力でねじ伏せた印象が強い。
指揮官が内容には満足していなかったように、圧倒したが、快勝したとは言えなかった(快勝するより、圧倒するほうが難しいとも言えるが)。
後半はCF石原、シャドーに武藤、高木という新加入組のトライアングルが確実にボールを収め、球際でも相手を勝った。
それでもペトロヴィッチ監督のスタイルである、敵の急所を突くスペースラン、スルーパスはあまり見られなかった。それは先にも記したが3-4-2-1同士の対決だったため、ギャップを突けなかったからだとも言えた。
とはいえ、力でねじ伏せる戦いだけでは、やはりシーズンを戦い切るのは難しい。そのあたりを指揮官は感じ取り、「後半も良くはなかった」と厳しい表情を浮かべたのだろう。
「浦和は1勝するだけで、すべてがハッピーになれるというチームではない。ここから1試合、1試合成長して、勝ち星を積み上げていきたい」
ひとつ勝っただけで浮かれていないのは、選手も一緒だ。DF森脇はそのように、さっそく次戦を見据えていた。
浦和は公式戦3連敗していたとはいえ、「3年間しっかり積み重ねてきた自負がある。ブレることはない」と宇賀神は強調。一方、湘南の遠藤も「チャンスを作れていたし、ブレずにやっていくことが大事」と同様のことを言っていた。
ただ、相手チームに対するより具体的な対策を練っていたのは、勝った浦和のほうだった。
右WBで先発したチーム最年長35歳の平川は、次のように語っている。
「湘南は、ボールを高い位置で奪ってそのままシュートまで持ち込むショートカウンターを狙っている。だから、本来ウチはポゼッションが武器のチームではあるけど、あえてボールを持たせるのもひとつの作戦だった」
湘南がボールを持ってどのように仕掛けるか模索する間に、陣形を整える。整えたら、逆にハードワークが武器の石原、高木、武藤らがプレッシングを仕掛ける。
3-4-2-1同士だからこそ、マッチアップ時に個の能力差がはっきりと出た。ペトロヴィッチ監督がハードワークを厭わぬこの3人を前線に並べた意図は、そのあたりにもあったのだろう。
実際その戦法に、湘南の選手たちは戸惑った。湘南の右WB古林は次のように語っていた。
「(浦和は)わざとボールを持たせてきていた。取りに来なかった。それでナオキさん(石原/元湘南)や攻撃の選手が良い意味で前のほうに残っていて、そこにロングボールを入れて上手く収めてきたり。攻める時と守る時、そのあたりが上手かった」
結局、湘南の絶好機は24分、三竿の豪快なオーバーラップからのクロスに、大槻が合わせたシーンぐらい。ある浦和の選手は、「(湘南の攻撃は)怖くなかった」と言っていた。
加えて浦和は天候も計算に入れていた。
上空には中風が吹いていて、前半は風下、後半は風上に立った。そこで後半は湘南のプレッシングを受ける危険を感じたら、無理をせず風を活かしてロングボールを裏のスペースに蹴り込むのもありだ、という指示が出ていたという。本来の武器であるパスにこだわらなくていい。その意識がチーム内で共有できていたからこそ、フリーランを怠らぬ武藤や石原の汗を流すプレーも活きた。
決して湘南も浦和対策を疎かにしたわけではない。ただ様々なシミュレート(想定)が、より現実的で、しっかりハマったのは、浦和だった。
一方、両チームの課題も浮き彫りになった一戦だった。
浦和は個の能力の差を見せ付け、力でねじ伏せた印象が強い。
指揮官が内容には満足していなかったように、圧倒したが、快勝したとは言えなかった(快勝するより、圧倒するほうが難しいとも言えるが)。
後半はCF石原、シャドーに武藤、高木という新加入組のトライアングルが確実にボールを収め、球際でも相手を勝った。
それでもペトロヴィッチ監督のスタイルである、敵の急所を突くスペースラン、スルーパスはあまり見られなかった。それは先にも記したが3-4-2-1同士の対決だったため、ギャップを突けなかったからだとも言えた。
とはいえ、力でねじ伏せる戦いだけでは、やはりシーズンを戦い切るのは難しい。そのあたりを指揮官は感じ取り、「後半も良くはなかった」と厳しい表情を浮かべたのだろう。
「浦和は1勝するだけで、すべてがハッピーになれるというチームではない。ここから1試合、1試合成長して、勝ち星を積み上げていきたい」
ひとつ勝っただけで浮かれていないのは、選手も一緒だ。DF森脇はそのように、さっそく次戦を見据えていた。