走れるようになった矢先にコロナ禍に巻き込まれ…
リハビリは順調に進み、復帰の時期を4月下旬から5月に設定。ようやくトンネルの先に光が見え始め、初めて全体練習への参加を許可された3月12日のことだった。意気盛んにバルデベバスに到着したアセンシオは、しかしユニホームに着替えることはなかった。施設を共有しているバスケットボールのトップチームの選手が新型コロナウイルスの検査を受けた結果、陽性反応を示したことが判明。ドクターからクラブの活動を一時停止することが言い渡されたのだ。
立て続けに当日ラ・リーガの中断も決定。2日後に政府は非常事態宣言を出し、全国民が自宅待機の生活を余儀なくされることになった。
この時のアセンシオの様子について「明らかにショックを受けていた。マルコにとっては度重なるアクシデントだったしね。走れるようになった矢先にどこにもトレーニングに行くことができなくなってしまった。おかげですべての予定が1か月半先送りになった」と周囲の人間は述懐する。
立て続けに当日ラ・リーガの中断も決定。2日後に政府は非常事態宣言を出し、全国民が自宅待機の生活を余儀なくされることになった。
この時のアセンシオの様子について「明らかにショックを受けていた。マルコにとっては度重なるアクシデントだったしね。走れるようになった矢先にどこにもトレーニングに行くことができなくなってしまった。おかげですべての予定が1か月半先送りになった」と周囲の人間は述懐する。
しかし、この試練もまた乗り越えた。落胆の色を見せるどころかこの3か月の間に一段とエネルギーが増した印象を受けるとバルデベバスのスタッフは証言する。クラブ関係者、周囲の人間が口を揃えるのがアセンシオのメンタルの強さだ。
「誰かをお手本にするようなこともしていなかった。怪我もまた人生の中の一つのアクシデントに過ぎないと考えられるようになってからは、自分自身と真摯に向き合い続けていた。」
その努力の結果が冒頭の体重計の数値であり、途中出場31秒後のファーストタッチで復帰戦をゴールで飾ったバレンシア戦でのパフォーマンスである。3度の試練を乗り越えて一皮むけたアセンシオの復帰――。ラ・リーガのタイトル奪還を目指すマドリーにとってこれほど心強いことはない。
文●ダビド・アルバレス(エル・パイス紙レアル・マドリー番)
翻訳●下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
「誰かをお手本にするようなこともしていなかった。怪我もまた人生の中の一つのアクシデントに過ぎないと考えられるようになってからは、自分自身と真摯に向き合い続けていた。」
その努力の結果が冒頭の体重計の数値であり、途中出場31秒後のファーストタッチで復帰戦をゴールで飾ったバレンシア戦でのパフォーマンスである。3度の試練を乗り越えて一皮むけたアセンシオの復帰――。ラ・リーガのタイトル奪還を目指すマドリーにとってこれほど心強いことはない。
文●ダビド・アルバレス(エル・パイス紙レアル・マドリー番)
翻訳●下村正幸
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