仙台でのJリーグ復帰を決めた理由としては「もう一度仙台で積み重ねたいという思いがあった」という。またポルトガル他、ヨーロッパ各国では新型コロナウイルスの感染が日本以上の勢いで広がっていたこともあり、「レストランもスーパーも制限があり、チームも活動停止となり、最後は練習もできませんでした」とポルトガルの状況も踏まえての決断となった。

　さらに「日本に帰った時にはとても安全な印象があり、ヨーロッパとの差にビックリしました」と３月20日の帰国時を振り返った。

　海外でプレーした感想を問われると「日本には無い環境でやっているので目に見えないストレスは自分でも感じていました」と語るが、「日本にいる時とやっていることは変わっていなかったので、海外だから特に……というのはあまり無かったです」とあくまでサッカーをプレーすること自体は変わらなかったという。

「日本でやっていた時と何が変わったか、成長したかは（自分のプレーを）見て感じてもらいたい」とまずはプレーで結果を出し、成長した姿を見せようとしている。
 

　チームメイトも西村へ大きな期待を寄せる。

　西村の加入が決まった翌日の３月25日、LINEのグループビデオ通話で取材に応じたDF蜂須賀孝治は「得点感覚に優れていると思いますので、試合でたくさん点を取ってほしいです。努力家なので、チームに努力する姿を見せて『あいつがあんなに頑張っているんだったら俺たちも頑張ろう』という刺激を与えてほしいです」と仙台加入当初から西村を見てきたこともあり、チームの起爆剤として期待をかけていた。

　西村の移籍後に仙台へ加入したMF松下佳貴も「映像で見たり、ピッチで戦ったりした時の印象はゴールに対して貪欲な選手だと思います。パスの出し手としては強く要求してくれる選手にはパスを出しやすいです。さまざまな攻撃のバリエーションが生まれてくると思いますし、一緒にプレーできることを楽しみにしています」とチームメイトになることを楽しみにしていた。

　今後に向けては「まずはコンディションを調えることと、日々積み重ねることを意識してやっていきたいです。ユアスタでプレーするのはとても光栄ですし、あの雰囲気で早くやりたいので、あの満員のスタジアムでプレーしたいです」。

　J１再開までまだ時間はあるが、2018シーズンに８月までで11ゴールを挙げたストライカーの加入は大きい。チームに慣れて、再び仙台サポーターを沸かせる活躍を見せたいところだ。

取材・文●小林健志（フリーライター）