シュートのタイミングを完璧に読むブロックの正確さ、絶対的エースの決定力
前半の守備が安定していたなかで得点が得られれば、日本にも勝機はあったのだが、イングランドのボックス付近での守備は相変わらず鉄壁だった。前回の対戦でも、いくら揺さぶりをかけても跳ね返された。多少顔ぶれが変わろうとも、ブレが生じないというのはイングランドの地力だろう。ペナルティエリア近くになると岩渕の動きは封じられ、DF裏のスペースを狙い続けた田中もあとわずかというところで上手く芽を摘まれた。
フィニッシュに持ち込めたとしても、シュートのタイミングを完璧に読むブロックの正確さはヨーロッパでもトップレベルではないだろうか。ワールドカップで苦しめられたこのブロックを打ち破るという課題は、今回もクリアすることは出来なかった。
フィニッシュに持ち込めたとしても、シュートのタイミングを完璧に読むブロックの正確さはヨーロッパでもトップレベルではないだろうか。ワールドカップで苦しめられたこのブロックを打ち破るという課題は、今回もクリアすることは出来なかった。
逆に、イングランドは力技で試合を決しようと60分に3枚、その9分後に絶対的エースのエレン・ホワイトを含む2枚のカードを切り、ベストメンバーを揃えてきた。実際に、切ったカードで試合を決めてしまうのだから選手層の厚さのみならず、投入された選手によって澱みなく展開されるサッカーが指揮官の意図通りに移行していく様は圧巻だった。
残り7分というところでCB三宅史織(INAC神戸レオネッサ)のパスをかっさらわれ、最後は象徴的な選手であるホワイトに決められてしまう。このパターンでの失点がまたしても繰り返された。日本の現状を考えれば、得点まで臨むのは難しいというのが正直なところ。初戦からの立て直しという点においては最低限のラインをクリアした第2戦だった。
取材・文●早草紀子