「日本にはセンパイとコウハイという習慣がある」
三浦はJリーグが誕生した1993年当時から日本を代表するスター選手のひとりで、そのオープニングゲームにも出場。アジア、ヨーロッパ、南アメリカ、オーストラリアを股にかけて活躍し、ジェノア時代には、サンプドリアとのダービーマッチでゴールを決めている。
誕生日ケーキに立てられた50本のローソクを吹き消してしばらくした後にリーグ戦で得点し、そのゴールは最年長プロ選手としてギネス世界記録に認定された。
いま日本で生活する100歳以上の高齢者は7万1000人を超える。これは21世紀が明けた頃よりも5倍以上に相当する。この高齢化社会が加速する日本において、サッカー選手の“高齢化”も進行しており、中村俊輔もそのひとりだ。スペイン1部のエスパニョールに入団した約11年前、キャリアの晩年に差し掛かりつつあると思われていたが、6月に42歳になる今シーズンも三浦と同じ横浜FCでプレーする。
誕生日ケーキに立てられた50本のローソクを吹き消してしばらくした後にリーグ戦で得点し、そのゴールは最年長プロ選手としてギネス世界記録に認定された。
いま日本で生活する100歳以上の高齢者は7万1000人を超える。これは21世紀が明けた頃よりも5倍以上に相当する。この高齢化社会が加速する日本において、サッカー選手の“高齢化”も進行しており、中村俊輔もそのひとりだ。スペイン1部のエスパニョールに入団した約11年前、キャリアの晩年に差し掛かりつつあると思われていたが、6月に42歳になる今シーズンも三浦と同じ横浜FCでプレーする。
こうしたJリーグ独特の現象について、「日本の文化と関係がある」と語るのがガリシア地方出身で東京のスペイン大使館に勤務するパブロ・ルビン氏だ。
「日本にはセンパイとコウハイという習慣がある。センパイはコウハイよりも立場が上の人間だ。会社でも学校でもスポーツのチームでも、何らかの組織に所属したら、必ずそう区分される。コウハイはセンパイよりも後にその組織に加わり、したがって経験が浅い。センパイに対しては丁寧な口調で話す必要があり、アドバイスを求めることも多い」
こうした上下関係が根付いている社会的価値観を背景に、三浦の周辺には幕を下ろす時間が訪れつつあると進言する者は皆無に近いそうだ。
ルビン氏はこう続ける。「センパイはその組織の中で立場を守られている。三浦に引退を考えるべきだと発言したコメンテーターがいたが、次の機会にはその話をしなくなった」
実際、三浦の影響力は絶大だ。彼の日々の節制を怠らない姿勢は、理想的のライフスタイルを実践していると考えられている。
日本には「ソンタク」という言葉がある。他人の心を推し量ることを意味するが、日本人のそうした気持ちが働いて、クラブだけでなくメディアにも三浦が現役を続けることについて疑問視する声は上がっていない。加えて、スポンサー企業にとっての商品的価値の高さも、情熱を燃やし続ける三浦を後押しする大きな要因になっている。
「日本にはセンパイとコウハイという習慣がある。センパイはコウハイよりも立場が上の人間だ。会社でも学校でもスポーツのチームでも、何らかの組織に所属したら、必ずそう区分される。コウハイはセンパイよりも後にその組織に加わり、したがって経験が浅い。センパイに対しては丁寧な口調で話す必要があり、アドバイスを求めることも多い」
こうした上下関係が根付いている社会的価値観を背景に、三浦の周辺には幕を下ろす時間が訪れつつあると進言する者は皆無に近いそうだ。
ルビン氏はこう続ける。「センパイはその組織の中で立場を守られている。三浦に引退を考えるべきだと発言したコメンテーターがいたが、次の機会にはその話をしなくなった」
実際、三浦の影響力は絶大だ。彼の日々の節制を怠らない姿勢は、理想的のライフスタイルを実践していると考えられている。
日本には「ソンタク」という言葉がある。他人の心を推し量ることを意味するが、日本人のそうした気持ちが働いて、クラブだけでなくメディアにも三浦が現役を続けることについて疑問視する声は上がっていない。加えて、スポンサー企業にとっての商品的価値の高さも、情熱を燃やし続ける三浦を後押しする大きな要因になっている。