レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第56回・マケレレ(元フランス代表)

カテゴリ:メガクラブ

サッカーダイジェストWeb編集部

2020年01月04日

「マケレレ・ロール」で最も価値の高い存在となった

惜しくも、代表でのタイトルには手が届かなかった。98年W杯では、エメ・ジャッケ監督から守備的MFとして高く評価されていたものの、当時所属のマルセイユでのポジションが右SBだったことが招集外の理由になったという。 (C) Getty Images

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 公式戦のほぼ全ての試合に出場し、スター選手たちを活かすための献身的な役割を担い、多くの勝利、タイトル獲得に貢献して人々から称賛の声を浴びたマケレレだったが、ペレス会長ら首脳陣からの評価は驚くほど低く、彼の年俸はチームメイトのスター選手の5分の1ほどの額だった。

 2003年夏、世界を驚かせたデイビッド・ベッカムのマドリー加入で、ますます自身の負担が大きくなることを予想したマケレレは、クラブに対して待遇の改善を要求したが、受け入れられることはなく、退団を決意。ペレス会長は、移籍はないとタカをくくっていたようだが、移籍市場最終日にイングランドの強豪、チェルシー加入が発表される。

 30歳でプレミアリーグに挑戦し、そのスピードに面食らうも、すぐに「マケレレ・ロール」で新たなチームの中盤の底に君臨。初年度はリーグ2位、CLは準決勝敗退とタイトルにはあと少しで手が届かなかったものの、監督がクラウディオ・ラニエリからジョゼ・モウリーニョに交代した04-05シーズン、リーグ、リーグカップの二冠を達成する。

 翌シーズンにはリーグ連覇を果たし、06-07シーズンはFAカップとリーグカップで優勝したチームにおいて、マケレレは全てのコンペティションでフル稼働し続け、時に「働かせすぎ」と不満を述べつつも、安定したプレーぶりで勝利に貢献した。

 05年に国際プロサッカー選手会(FIFPro)のベストイレブンに、翌年にはチェルシーの年間最優秀選手に選出されるなど、個人としての価値をさらに上げ、年俸もマドリー時代の4倍にアップ。ちなみに、マケレレを放出したマドリーはその後、彼の穴を埋めることができず、ペレス体制(~06年)の期間、最後までタイトルとは無縁だった。

 このように、クラブレベルで輝かしい足跡を残したマケレレは、ナント時代にフランス国籍を取得しており、「レ・ブルー」の愛称を持つ代表チームでのキャリアも同時に築いてきた。

 初招集は95年7月22日のノルウェー戦。翌年にU-23代表の主力としてアトランタ・オリンピック(準々決勝敗退)に出場したが、A代表にはなかなか定着できず、フランスが栄光を手にした98年フランス・ワールドカップ、EURO2000のメンバーに入ることはできなかった。

 初のメジャーイベントは02年日韓W杯。グループリーグ最終戦のデンマーク戦で初出場を果たすも、0-2で敗れ、無得点で早期敗退した初めての前回優勝国という不名誉な集団の一員となってしまった。

 2年後のEUROでは3試合に先発出場し、準々決勝ギリシャ戦では果敢に相手ゴールに迫る場面もあったが、チームは1点を奪えずに0-1で敗退。大会後、マケレレは代表引退を宣言する。

 しかし06年ドイツW杯予選、アトランタ五輪で共闘したレイモン・ドメネクA代表監督に請われて復帰を決意し、本大会にも出場。イタリアとの決勝をPK戦で落として世界制覇はならなかったものの、マケレレはパトリック・ヴィエラとともに中盤の底で奮闘、7試合でわずか3失点という堅守に貢献し、改めてその力を示した。

 この大会の後に今度こそ代表ユニホームを脱ぐはずだったが、ドメネク監督は引き続きマケレレを招集。チェルシー側の抗議も退けられ、彼はEURO2008に出場することとなり、レギュラーとして35歳という年齢を感じさせないバイタリティーを披露する。

 しかし、健闘むなしくチームは1分け2敗の最下位でグループリーグ敗退。これをもって、マケレレは“三度目の正直”で通算71キャップを刻んだ代表キャリアに幕を下ろした。

 クラブレベルに話を戻すと、CL決勝に進みながらもマンチェスター・ユナイテッドにPK戦の末に涙を飲んだ07-08シーズンを最後に、チェルシーを退団。フリートランスファーで母国に帰還し、パリ・サンジェルマンの一員となると、11年までの3シーズンでいずれもリーグ戦30試合以上に出場し、09-10シーズンにはフランス・カップ優勝に貢献した。

 38歳で現役を退いたが、そのままパリSGに残留し、カルロ・アンチェロッティ監督の要請を受けてアシスタントコーチに就任、すぐに指導者としてのキャリアを開始する。04年にバスティアで監督デビューを飾り、17年にはイングランドのスウォンジー(アシスタント)、ベルギーのオイペンといった欧州各国のクラブを率いてきた。

 そして19年夏にチェルシーに戻り、現在はテクニカルメンターとして若手選手の成長をサポートするなど、かつて自身を高く評価してくれたクラブへの恩返しのため、現役時代同様、精力的に働く日々を送っている。



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配信日|配信中(2013年2月14日より)
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