狙いにいってもぎ取ったタイトル
攻勢に出たのは日本だった。
サウジが多用するロングボールをフラット3が、出場停止となった稲本の代役、明神のワンボランチも機能している。しかし、その単調と思えた反撃がジャブのように日本を追い詰めていく。
9分、GK川口と最終ラインの間を狙うサウジに日本はPKを献上してしまう。コースを狙ったファラータのショットが左に外れ……。攻め込んで先制される、という日本にとっては最悪のシナリオは、サウジが自らの手で放棄してくれた。これでゲームは一気に日本へ傾く。
入念に微調整を施していたセットプレーから好機を作り、29分、均衡を破る。中村のFKに合わせたのは、これまでスタメンの座を追われていた熟練MFだ。「嬉しくて頭の中が真っ白になった」と語る望月。
前半はPKによるシュート1本に抑えられていたサウジだが、後半は劇的なまでに状況を好転させてきた。立ち上がりから分刻みで決定機を迎え、後半の頭から登場したアルシャルフーブが日本の右サイドを混乱状態に陥れる。
クサビが打ち込めず、日本はジリ貧の攻撃が続く。安閑とした前半から、一転して大会未経験の地獄絵図へ。GK川口のキレと、ことごとく外したサウジの攻撃陣。運も味方してくれたのだということを、忘れてはいけない。
レベルと力関係からすれば、日本の栄冠は順当だったと言える。だが、ここで見落としてはいけないのは、誰もが公言し、狙いにいってもぎ取ったタイトルだという点だ。価値と意義は計り知れなく高く、2年後の大一番へと邁進するブルーズの胸にかけがえのない勲章として、刻み込まれたことだろう。
サウジが多用するロングボールをフラット3が、出場停止となった稲本の代役、明神のワンボランチも機能している。しかし、その単調と思えた反撃がジャブのように日本を追い詰めていく。
9分、GK川口と最終ラインの間を狙うサウジに日本はPKを献上してしまう。コースを狙ったファラータのショットが左に外れ……。攻め込んで先制される、という日本にとっては最悪のシナリオは、サウジが自らの手で放棄してくれた。これでゲームは一気に日本へ傾く。
入念に微調整を施していたセットプレーから好機を作り、29分、均衡を破る。中村のFKに合わせたのは、これまでスタメンの座を追われていた熟練MFだ。「嬉しくて頭の中が真っ白になった」と語る望月。
前半はPKによるシュート1本に抑えられていたサウジだが、後半は劇的なまでに状況を好転させてきた。立ち上がりから分刻みで決定機を迎え、後半の頭から登場したアルシャルフーブが日本の右サイドを混乱状態に陥れる。
クサビが打ち込めず、日本はジリ貧の攻撃が続く。安閑とした前半から、一転して大会未経験の地獄絵図へ。GK川口のキレと、ことごとく外したサウジの攻撃陣。運も味方してくれたのだということを、忘れてはいけない。
レベルと力関係からすれば、日本の栄冠は順当だったと言える。だが、ここで見落としてはいけないのは、誰もが公言し、狙いにいってもぎ取ったタイトルだという点だ。価値と意義は計り知れなく高く、2年後の大一番へと邁進するブルーズの胸にかけがえのない勲章として、刻み込まれたことだろう。