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【現地発】ロペテギ、苦難の135日。右往左往するしかなかった指揮官はこうして“夢の舞台”を追われた

カテゴリ:メガクラブ

エル・パイス紙

2018年10月31日

選手の不信感を増幅させた不可解な起用法。

ラモスやマルセロといった重鎮選手の信頼を得られなかったのも、ロペテギ政権が短命に終わった要因のひとつだ。(C)Getty Images

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 GKはケイラー・ナバスとクルトワをローテーションで併用する“中和策”を導入したものの、前者を支持するチーム内の重鎮選手たち、後者の常時スタメン出場を要望するフロントの双方の不評を買う結果になった。

 極めつけは、前述のヴィニシウスのケースだ。フロントは開幕から1部でプレーする準備ができていると判断していたが、ロペテギは経験不足を理由にBチーム行きを指示。今回のクラシコでも、遠征に帯同させながら結局ベンチ外とし、ここまでわずか2試合、時間にすれば計12分間しかプレーさせていない。

 スペイン代表監督時代にみずから招集し、ロシア・ワールドカップのメンバーにも選出したオドリオソラにも、レギュラーのダニエル・カルバハルが繰り返し怪我で戦線を離脱する中、272分しか出場時間を与えず、ファンがもっとも入団を歓迎したマリアーノも、カリム・ベンゼマ、ベイルの両FWのゴールスランプが長引いているにもかかわらず、スタメン出場は1試合(9節のレバンテ戦)に留まっている。
 
 ロペテギの起用法が発火点となって不満の声が上がったのは、重鎮選手も同様だ。ジローナ戦(2節)で後半開始早々(60分)に交代を命じられたマルセロはその好例で、人一倍敏感で繊細なクロースを、本人やチームメイトにとって本意ではないボランチで起用したり、突如スタメンから外した采配(9節のレバンテ戦)にも疑問の声が上がった。

 さらに、開幕当初は継続的に起用していたダニ・セバジョスも、チームが下降線を描くに従って出場機会が減少。招集メンバーから漏れたチャンピオンズ・リーグのプルゼニ戦に続き、クラシコでも90分間ベンチを温めた。

 また、夏に移籍を志願していたマルコス・ジョレンテに至っては、指揮官みずから乗り出し、出場機会を与えることを約束して翻意させたにもかかわらず、ここまでトータル11分しかピッチに立っていない。

 ロペテギのこうした不可解な起用法の数々は、チームのCL3連覇に貢献したフィジカルコーチのアントニオ・ピントゥスを閑職に追いやり、自身が連れてきたオスカル・カロを責任者に任命した決断を境に高まっていた選手たちの不信感を、増長させるものでしかなかった。

 しかもこれで結果が出れば良かったが、成績は下降線を辿る一方。こうして四方八方からの重圧に押しつぶされ、右往左往するしかなかったロペテギは、1950年以来、開幕10節の成績としてはワーストの数字を残し、追われるようにして“夢の舞台”から立ち去っていった。

文●パブロ・ペレス(エル・パイス紙/レアル・マドリー番記者)
翻訳:下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
 
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