【セルジオ越後】Jリーグの発展を考えるなら外国人枠は撤廃すべきだ

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェスト編集部

2018年09月27日

日本にも真のビッグクラブが出てきてほしい

名古屋のジョー(7番)やガブリエル・シャビエル(10番)ら優秀な助っ人は多い。こうしたタレントがより増えれば、リーグとしてレベルは上がりそうだ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 それに〝撤廃〞と言っても、各クラブに「外国人をもっと雇え」と強制しているわけではない。極端な話、スタメン全員を助っ人で揃えるクラブが出ても良いし、保有人数を現状と変えないクラブがあってもなんの問題もないんだ。
 
 資金面に乏しいクラブにとっては、あまり関係のないルールかもしれない。でも逆にチャンスだと捉えることもできる。助っ人の比率を増やせば華やかに見えるけど、自前の選手は減る。対して地域と密着し、アカデミーから人材を確保するチームは〝育成型クラブ〞として認知される。
 
 そうした各チームの〝個性〞がより際立つことで、リーグ自体も活性化する。一般の人たちに興味を持ってもらえるチャンスも増えるはずだよ。
 
 それに良い意味での格差も生まれる。ヨーロッパの強豪クラブは若手はレンタル移籍で経験を積ませ、外部から国籍を問わずに即戦力を加えてチームを強化する。結果を残せば資金が入り、再び選手を買う。ビッグクラブにはタレントが集まり、規模が小さいクラブは選手を売って生計を立てる。こうしたヒエラルキーが日本にもあって良いのではないか。
 
 要するに日本にも真のビッグクラブが出てきてもらいたいんだ。ACLなどアジアの舞台でも勝ち続けられるチームが現われれば、リーグの価値は上がる。毎節、レベルの高いゲームが展開されれば、わざわざ海を渡って己の力を試そうとする選手だって減るかもしれない。
 
 さらにヴィッセルはイニエスタ獲得のために、埋まっていた外国人枠をわざわざ空けたが、そうした無駄な作業も減る。すると欧州のシーズンが終わる夏に、積極的に動くクラブも増えるかもしれない。
 
 またJリーグは外国人枠の議論と合わせて「ホームグロウン制度」の導入も目指している。その中身の一案は、自クラブで3年以上育成した選手(12歳から21歳に限る)をふたり以上保有するというもの。
 
 こうした制度を整えつつ、レンタル移籍を上手く活用すれば、「若手育成の阻害」という問題点も解決できるはずだ。
 
 グローバル化が進むサッカー界において、いつまでも日本人を守る規制は必要ない。助っ人選手を含めて自由な競争を目指してもらいたい。
 
【関連記事】
【セルジオ越後】堂安があれだけやるなら本田のOAはいらないし、乾には中島という強力なライバルが現われたね
【セルジオ越後】日韓戦の敗因は“ピッチ外”のコミュニケーション不足!! 会長はJリーグともっと話せばいい
イニエスタにリージョが加わっても… バルサ化を図る神戸が乗り越えるべきいくつかの課題
「まさか日本で…」槙野智章がケルン元同僚ポドルスキとのJ初対戦に抱いた想い
中島翔哉が2G1Aの大暴れ! 超絶トラップからの一撃にサポーターも「天才でしかない」と絶賛!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ