監督が一方的に押し付ける限界を去年まで散々感じた。選べる力を養うのが僕の仕事。
――曺監督は1年目の2012年にも、J2で指揮を執っています。当時と現在で一番違いを感じる点は?
「ひと言で表現するなら、2年前は遮二無二。若さや勢いがあった反面、勝ち試合、負け試合、また1試合のなかでもすごく波があって、『ジェットコースター』みたいなチームでした。そこから昨シーズンのJ1を経て、自分たちの足りないところと向き合うことができた。それを最大限に活かすための今シーズンであり、チームとしての軸がブレなくなってきたというか、選手たちにスタイルを貫き通す覚悟が出てきた感じがします。(敗れた)愛媛戦の残り15分は、パワープレーに走ってしまったんですけど……」
――その愛媛戦では、今季ここまでで唯一の敗戦を喫しています。
「極端に言えば、どこかで勝ちに慣れてしまっていた部分があったのかもしれません。あの試合はシュート数もペナルティーエリアに入った回数も多くて、チャンスもありながら、得点を取れなかった。その経験がもう一度サッカーに戻るきっかけになったというか、チームとしてのストロングポイントを毎試合出していくことが『GET3』(勝点3)につながるんだと再認識できましたね。その後の試合は、内容が全部良かったわけではないですけど、軸はブレずに戦えたと思います」
――19節の磐田戦は、戦前に「勝点6の価値がある」と話していたように、前半戦の大一番でした。J1クラスの相手に見事勝利しましたね。
「磐田さんも真っ向からぶつかってきてくれたし、我々も自分たちのスタイルで勝負して、プラス勝てたのは良かったと思います。全員がなんの迷いもなく向き合ってくれたので、指揮を執りながら充実感がありました。こういう試合を続けていけば、互いの選手は成長していけるんだろうなと。記憶に残る試合でしたね」
――昨シーズンのアウェーでの敗戦(8節/0-4)もあった分なおさら?
「そうですね。あの時は真っ向から行ってやられた試合だったので、自分たちと彼らがどう違うのかということを含めて今回手応えを持った選手もいると思います。もちろん、これで満足してはいけないですけど」
――吉濱遼平選手や岡田選手ら次々とヒーローが誕生しているのも、今季の特徴だと思います。選手のコンディションや溜め込んでいるエネルギーを見極めるコツはありますか?
「レギュラー11人が固定されているチームもあると思いますが、僕はいろんな選手の組み合わせや形でずっとやってきている。彼らは31分の1の戦力だし、日替わりのヒーローが出ている感覚はないんですよね。
強いて言うなら、選手を観察して、あらゆることを予測しながら、全員で練習を作り上げていくことですかね。練習は監督がやるわけじゃなく、選手が成立させてくれるもので、監督が良い練習をするというのは、僕からすれば『選手が良い』と言っている裏返し。監督が一方的に押し付けることの限界を去年まで散々感じたので、選手が最終的にAかBかCかの判断の中からBが良いと選べる、選ぼうとする力を養うのが監督の最大の仕事だと思っています。そういう意味では、1年目、2年目、3年目と少しずつ感じ方が変わってきた部分はありますね」
「ひと言で表現するなら、2年前は遮二無二。若さや勢いがあった反面、勝ち試合、負け試合、また1試合のなかでもすごく波があって、『ジェットコースター』みたいなチームでした。そこから昨シーズンのJ1を経て、自分たちの足りないところと向き合うことができた。それを最大限に活かすための今シーズンであり、チームとしての軸がブレなくなってきたというか、選手たちにスタイルを貫き通す覚悟が出てきた感じがします。(敗れた)愛媛戦の残り15分は、パワープレーに走ってしまったんですけど……」
――その愛媛戦では、今季ここまでで唯一の敗戦を喫しています。
「極端に言えば、どこかで勝ちに慣れてしまっていた部分があったのかもしれません。あの試合はシュート数もペナルティーエリアに入った回数も多くて、チャンスもありながら、得点を取れなかった。その経験がもう一度サッカーに戻るきっかけになったというか、チームとしてのストロングポイントを毎試合出していくことが『GET3』(勝点3)につながるんだと再認識できましたね。その後の試合は、内容が全部良かったわけではないですけど、軸はブレずに戦えたと思います」
――19節の磐田戦は、戦前に「勝点6の価値がある」と話していたように、前半戦の大一番でした。J1クラスの相手に見事勝利しましたね。
「磐田さんも真っ向からぶつかってきてくれたし、我々も自分たちのスタイルで勝負して、プラス勝てたのは良かったと思います。全員がなんの迷いもなく向き合ってくれたので、指揮を執りながら充実感がありました。こういう試合を続けていけば、互いの選手は成長していけるんだろうなと。記憶に残る試合でしたね」
――昨シーズンのアウェーでの敗戦(8節/0-4)もあった分なおさら?
「そうですね。あの時は真っ向から行ってやられた試合だったので、自分たちと彼らがどう違うのかということを含めて今回手応えを持った選手もいると思います。もちろん、これで満足してはいけないですけど」
――吉濱遼平選手や岡田選手ら次々とヒーローが誕生しているのも、今季の特徴だと思います。選手のコンディションや溜め込んでいるエネルギーを見極めるコツはありますか?
「レギュラー11人が固定されているチームもあると思いますが、僕はいろんな選手の組み合わせや形でずっとやってきている。彼らは31分の1の戦力だし、日替わりのヒーローが出ている感覚はないんですよね。
強いて言うなら、選手を観察して、あらゆることを予測しながら、全員で練習を作り上げていくことですかね。練習は監督がやるわけじゃなく、選手が成立させてくれるもので、監督が良い練習をするというのは、僕からすれば『選手が良い』と言っている裏返し。監督が一方的に押し付けることの限界を去年まで散々感じたので、選手が最終的にAかBかCかの判断の中からBが良いと選べる、選ぼうとする力を養うのが監督の最大の仕事だと思っています。そういう意味では、1年目、2年目、3年目と少しずつ感じ方が変わってきた部分はありますね」