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【小宮良之の日本サッカー兵法書】W杯ベルギー戦でも思い知らされた、「中盤」の別の重要な側面

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2018年08月17日

攻撃の速さを殺してダメージを最小限に

この2戦は黒星を喫してしまっているFC東京だが、依然として上位(3位)をキープしている。高萩(8番)と米本(7番)の中盤コンビが絶妙なバランスで、攻守に効いている。 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 そのため、ポジションを守る、という考え方が、今や欧州では一般的になっている。
 
 無理なインターセプトや一か八かのスライディングタックルが、日本ではいまだに「特長」や「武器」ともてはやされがちである。しかし、自分の持ち場を離れ、そこを相手に越えられてしまうMFは、一流とは言えない。持ち場を離れ、功名を狙うなら、必ず仕留める覚悟が求められる。
 
 受け身に回った中盤は、堀であり、土塁であり、柵である。相手の攻撃の速さを殺し、ダメージを最小限にする。そういう役割を担っているのだ。
 
 例えば、FC東京は単純にそこを整備しただけで、上位に名を連ねている。中盤が最終ラインの前で防御線を作り、容易に入り込ませない。侵入してきた相手に対しては、最終ラインと共同し、挟み込み、押し潰す。そして、前に強く速いアタッカーを揃えることで、カウンターを可能にしているのだ。
 
 防御線としての中盤。
 
 日本サッカーにおいて、その概念を根付かせる必要があるだろう。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。
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