J1後半戦へのビジョン|神戸編|素早いパスワークの中で小川慶治朗が輝きを放つ

カテゴリ:Jリーグ

白井邦彦

2014年07月02日

攻撃にバリエーションをもたらすのは「遊び心」。

ワールドカップのハイレベルなプレーに触発された小川慶治朗。後半戦にどんなパフォーマンスを見せてくれるだろうか。(C) SOCCER DIGEST

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 6月24日のゲーム形式の練習では、1タッチや2タッチなどの制限を設けた。これまでも実践してきたメニューだが、安達監督は「パススピード」という言葉を連呼した。少ないタッチ数で連動性を高め、さらにパススピードを上げて個々の判断力をも向上させていく。そこに、ブロックを構える敵を崩すための打開策を見出そうとしている。高橋は「練習でやっているワンタッチパスを、試合でももっと遊びながらできたら攻撃のバリエーションは増えると思う」と話す。
 
 パスセンスの高いシンプリシオが怪我から復帰、司令塔の森岡亮太も復調し、「遊び」ができる土台は整っている。遊びを入れながら、機を見て相手DFの裏へスルーパスを通せば、裏へ抜ける動きに長けた小川慶治朗などもいるだけに、得点チャンスは増加するはずだ。攻撃パターンが増え、敵が的を絞りにくくなれば、マルキーニョスやペドロ・ジュニオールの個人技もさらに生きてくる。パススピードが1段、2段と早くなり、少ないタッチでパスが回るほど、オフェンスには厚みが出るというわけだ。
 
 小川は言う。
「ワールドカップを見ているとペナルティーエリア内に入ってから攻撃に遊び心がある。それができるのも高い技術があるからだと思う。走力という武器は継続させながら、さらに技術を磨くのが自分のテーマ。この中断期間に左足でチョンリフ60回くらいできるようになりました(笑)」
 
 チョンリフとは、つま先でちょんちょんとリズミカルなタッチで行なうボールリフティング。利き足ではない左足でその技術を磨き、左右どちらでも遜色なくボールを扱えるようになれば、相手DFにドリブルの方向やシュートコースを読ませない効果も期待できる。ストライカーとしての幅はぐっと広がるだろう。
 
 現在、小川のリーグ戦での得点は3ゴール。彼のゴール量産が初タイトルへの近道でもある。リーグ再開後は、スピードアップしたパスワークの中で輝きを放つ、「両利き」のストライカー小川慶治朗に注目したい。
 
取材・文:白井邦彦(フリーライター)
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