ボグパ音楽ショーの裏で、新星は黙々とサイン
まずマクロン大統領夫妻が、玄関階段を降りてかなり遠くまで迎えに出た。これがすでにしきたりに反する振る舞いだった。
それだけにとどまらず、ポグバとアディル・ラミがなにやら相談しているかと思えば、報道陣の前で夫妻を交えて陣形を作り、全員集合で記念撮影に臨んだ。そして、宮殿の入口階段にたどり着くなり、99年の「ラララの歌」を合唱し始め、次いで国歌「ラ・マルセイエーズ」をアカペラで大合唱。前代未聞だらけの光景に、大統領宮殿番の報道陣は、完全に口があんぐり開いたままになっていた。
移動した先の大統領宮殿の美しい庭では、ガーデンパーティーが催された。そこには1500人の招待客が待ち構えており、子どもたちも多くいた。クイーンの「WE ARE THE CHANPIONS」が轟くなか、ここでもしきたりが破られた。
ショーマンかラッパーかと思しき姿のポグバが、プロ顔負けのショーを開始したのだ。マイクで「俺たちがワールドチャンピオンになったという噂を聞いたが、本当かー?」と叫ぶと、子どもたちが「ウィー!」と答える。「じゃあ、俺たちはすべてぶっ壊したってことだな! すべてぶっ壊したぞ! すべてぶっ壊したぞ!」。この“ぶっ壊したぞ!”の唱和が、大統領宮殿の庭いっぱいに響き渡った。
次いでポグバがバンジャマン・メンディにマイクを渡すと、「20年後に持ち帰ったよ、その時だったぜ、アレ・レ・ブルー!」と盛り上げ。するとまた子どもたちから「アレ・レ・ブルー!」の唱和が沸き起こった。
さらにポグバは「エンゴロ・カンテの歌」も唱和し、トロフィーは選手たちの手から手へと渡った。ラミとカンテはトロフィーを子どもたちが触れられるように外側に傾けた。子どもたちの手が、ホンモノのワールドカップ優勝トロフィーに触れた、魔法の瞬間だった。
それだけにとどまらず、ポグバとアディル・ラミがなにやら相談しているかと思えば、報道陣の前で夫妻を交えて陣形を作り、全員集合で記念撮影に臨んだ。そして、宮殿の入口階段にたどり着くなり、99年の「ラララの歌」を合唱し始め、次いで国歌「ラ・マルセイエーズ」をアカペラで大合唱。前代未聞だらけの光景に、大統領宮殿番の報道陣は、完全に口があんぐり開いたままになっていた。
移動した先の大統領宮殿の美しい庭では、ガーデンパーティーが催された。そこには1500人の招待客が待ち構えており、子どもたちも多くいた。クイーンの「WE ARE THE CHANPIONS」が轟くなか、ここでもしきたりが破られた。
ショーマンかラッパーかと思しき姿のポグバが、プロ顔負けのショーを開始したのだ。マイクで「俺たちがワールドチャンピオンになったという噂を聞いたが、本当かー?」と叫ぶと、子どもたちが「ウィー!」と答える。「じゃあ、俺たちはすべてぶっ壊したってことだな! すべてぶっ壊したぞ! すべてぶっ壊したぞ!」。この“ぶっ壊したぞ!”の唱和が、大統領宮殿の庭いっぱいに響き渡った。
次いでポグバがバンジャマン・メンディにマイクを渡すと、「20年後に持ち帰ったよ、その時だったぜ、アレ・レ・ブルー!」と盛り上げ。するとまた子どもたちから「アレ・レ・ブルー!」の唱和が沸き起こった。
さらにポグバは「エンゴロ・カンテの歌」も唱和し、トロフィーは選手たちの手から手へと渡った。ラミとカンテはトロフィーを子どもたちが触れられるように外側に傾けた。子どもたちの手が、ホンモノのワールドカップ優勝トロフィーに触れた、魔法の瞬間だった。
こうした光景に、デシャンは「いまは選手たちのときなのだ」といっさい発言せず、笑顔で選手たちを見守った。
マクロン大統領は若きチャンピオンたちに、「3つだけ言う。その1、ワールドカップを持ってきてくれてありがとう。その2、これからも変わるな。その3、どこから来たかを忘れるな」と演説。ビッグスターになる選手たちに、「育ててくれたクラブやコーチ、両親などを忘れないで」と訴えたのだ。
お祝いムードで最高潮に盛り上がるなか、ひとり黙々と子どもたちのためにサインしていたのがエムバペだ。19歳の少年は、浮かれた大人たちの陰に隠れるようにして、マイクもとらず、ひたすらサインし続けていた。この少年は”只者ではない”ことを感じ入るシーンだった。
夕陽が落ち、17日にレ・ブルーは、ついにバカンスに発つ。星とともに――。
文●結城麻里
マクロン大統領は若きチャンピオンたちに、「3つだけ言う。その1、ワールドカップを持ってきてくれてありがとう。その2、これからも変わるな。その3、どこから来たかを忘れるな」と演説。ビッグスターになる選手たちに、「育ててくれたクラブやコーチ、両親などを忘れないで」と訴えたのだ。
お祝いムードで最高潮に盛り上がるなか、ひとり黙々と子どもたちのためにサインしていたのがエムバペだ。19歳の少年は、浮かれた大人たちの陰に隠れるようにして、マイクもとらず、ひたすらサインし続けていた。この少年は”只者ではない”ことを感じ入るシーンだった。
夕陽が落ち、17日にレ・ブルーは、ついにバカンスに発つ。星とともに――。
文●結城麻里