――選手たちのメンタル面の問題はありましたか？
　アプローチが間違っていたのであれば、単一の理由は言えない。というのも、このような結果になるとは誰も思っていなかったので、私にとっては最後までこれが謎になるのではないかと思っている。
 
――後半の頭からＪ・ロドリゲスが出て来て流れを変えました。第１戦もドログバが入って流れが変わりましたが、相手の交代に対して監督はどのような対応をしたのでしょうか？
　我々が攻撃しなければいけないような場所で彼らがプレーしていた。日本はスペースを与えてしまい、彼らはそれをタイミング良く活用していた。我々は勝たなければならず、代替策がなかった。
 
――今大会で一番の誤算はなんでしたか？　また、攻撃的なサッカーを掲げて戦った３試合を終えてどう思っていますか？
　もうすでに全体的な話は答えているかと思う。アプローチが誤っていた。インテンシティーを発揮できず、質の伴ったプレーをできなかった。第２戦も初めは良かったが、以降はそれが上手く出せなかった。第３戦も前半は非常に良かった。しかし、３試合をすべて同じような形で戦うとは考えていなかった。各試合はそれぞれ違う形でプレーし、スピードのある攻撃をしようと考えていた。今日の試合の後半でそれをやろうとしたが、残念ながら遅過ぎた。
 
――本当はどのようなアプローチをしたかったのでしょうか？
　相手に応じて異なった形で攻撃するべきだった。より効率的にプレーするべきだったし、もっとボールを支配するべきだった。それがチームの考え。それを基に我々は練習してきた。我々の頭の中にあるものを行動で示す必要があった。ボールをもっと早く動かし、適切な距離でボールを取り戻すこと、そして再びボールを保持して攻撃すること。そうすべきだったが、試合ではそれができなかった。
 
――この３試合で６失点を喫しましたが、守備面ではなにが足りなかったと感じていますか？　また将来、日本の守備力を高めるためには何が必要ですか？
　ひとつのポジションを強くすれば、もうひとつのポジションが弱くなることもある。そこは上手くバランスを取らなければならない。日本の場合、攻撃と守備はMFの動きによってスムーズで効率的なプレーにつながっていた。それが上手く機能すると、日本は問題なくプレーできていた。もちろん何失点かは覚悟しないといけない。そのような考えの下に、このチームを作ってきた。
 
　この戦略を基に良い成績を収めた試合もあったが、ここブラジルではそれができなかった。選手間の距離が開き過ぎ、守備に問題が現われてしまった。その選手間の距離が開くことによって、MFが問題を抱えることになる。このチームは、全員攻撃・全員守備でやってきた。ボールポゼッションをしながら、ボールを失ったらみんなでそれを取り戻すようにする。そのような形でこの４年間プレーしてきた。そして、選手たちには「もっと大胆に攻撃しろ」と言い続けてきました。強力なチームを相手にしても攻撃しろと。「大胆、勇気」を持ってプレーしないといけないと、私は常に言ってきた。

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