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【小宮良之の日本サッカー兵法書】節制も断食も効果は人それぞれ…単純ではない選手の「食事」事情

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2018年06月02日

身体に悪いとされる断食も心の安らぎに

後味の悪い結末を迎えたが、サラーはCLに備えてラマダンを中断し、最高のコンディションを整えて大一番を迎えた。何を優先するか人それぞれであり、またその時々でそれが変わることもある。 (C) Getty Images

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 例えば、イスラム教徒は「ラマダン(約1か月、日の出から日の入りまで断食するなど、禁欲的な生活に励む。それによって、貧しく弱い人々の気持ちを知る)」で断食をする義務があって、選手も従っている。
 
「ラマダンをすることで肉体は浄化され、より良いプレーを見せられる」
 
 イスラム教徒であるモロッコ代表のナビル・エル・ザハル(レガネス)は、そう明言している。
 
 しかし科学的検証では、多くの場合、断食でフィジカルコンディションは落ちる。昼間に食を断って、空腹で夜に食べ過ぎる。当然ながら、消化は悪いし、必然的に身体は重くなる。どう考えても、食事バランスは悪いのだ。
 
 実際、フランス代表のカリム・ベンゼマ(R・マドリー)は、プロ生活をスタートさせた後は断食を行なっていない。エジプト代表モハメド・サラー(リバプール)も、先日のチャンピオンズ・リーグ決勝直前には一時中断している。
 
「それでも、ラマダンをすることで心の安らぎを得られるんだよ」
 
 そう言われたら、周りは何も言えない。肉体も大事だが、精神こそが肉体を動かしているからだ。
 
 結局、食事はその人にとってのベストを選択するしかない。誰が何をしているか。それはひとつの情報としては面白い。しかし、自分に合った食事は、自分自身で見つけるしかないのだろう。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。
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