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【岩政大樹】柔軟なだけでは日本は勝てない。軸を定めてひとつの画を描ける組み合わせを見つけたい

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェストWeb編集部

2018年06月01日

日本人らしいサッカーが作り上げられる舞台が整ったとも言える

8年前の南アフリカ大会では、選手の配置によってチームの形を描きやすくしていた。 (C)SOCCER DIGEST

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 西野監督が話されているように、様々なケースに柔軟に対応できるメンバーを揃えたと思います。ただ、満遍なくカバーしただけでは、今の日本はワールドカップで勝てるレベルにありません。まずは、攻守において、少なくともひとつずつはチームとしての強みを持ちたいものです。
 
「強み」と描く戦いの軸となる選手を誰にするのか。大迫選手や本田選手のキープ力。岡崎選手の連続性。長谷部選手や吉田選手の統率力。2列目には香川選手、乾選手、宇佐美選手、原口選手と多士済々のメンバーが揃っています。そこに、ガーナ戦で”雰囲気”を感じさせた柴崎選手あたりもチームの軸に名乗りを上げた感がありますが、軸が決まると、その周りの選手の置き方も見えてくるでしょう。それによって、全体がまずはひとつの画を描ける組み合わせを見つけてほしいと思います。
 
 8年前の岡田監督の時も壮行試合の韓国戦で0-2で敗れました。俄然、その時と今を重ねて語られるシチュエーションとなりましたが、あの時、直前の方針転換が成功したひとつの要因として、新たなメンバー構成から、ひとまず基本となるチームの戦いを選手たちが簡単に描けたことが挙げられます。
 
 ボランチに阿部勇樹選手を配し、闘莉王選手、中澤選手と中を締めて堅く守る。ボールを奪えば、先頭に入った本田選手にボールを集め、彼がキープ力を利用してボールを収めることができれば、両サイドに起用された大久保選手と松井選手が積極的に仕掛ける。時間がない中で、細かいディテールを戦術的に詰めていく時間はありませんでしたが、その配置の仕方によって、選手たちがひとまずのチームの形を描きやすくしていました。
 
 今回もそれぞれにそれぞれの特長を持った選手たちです。その選手たちの特長が組み合わさってグループの特長、チームの特長にまで膨らませる組み合わせを見つけられれば、時間はそれほど必要なく、今の選手たちの経験値で十分戦える状況まではもっていけると思います。
 
 そして、そこから先は戦い方ではなかったりします。何事も何かを成し遂げるために必要なのは、選手たちのマインドの部分でしょう。
 
「自分たちはやれる」。口で言うのは簡単です。それを心の髄から信じ込み、「自分たちは勝つはずだ」までもっていけるかどうか。
 
 スタッフも含めてオールジャパンで挑む構成にし、文化も精神性も理解した者だけのチームにした意味のひとつはそこにあるはず。逆境にこそ強く、結束する。それも「日本人らしさ」であるなら、日本人らしいサッカーが作り上げられる舞台が整ったとも言えます。
 
【著者プロフィール】
岩政大樹(いわまさ・だいき)/1982年1月30日、山口県出身。鹿島で不動のCBとして活躍し、2007年からJ1リーグ3連覇を達成。2010年の南アフリカW杯メンバーにも選出された。現在は、東京ユナイテッドFCで選手兼コーチを務める。
 
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