J初ゴール&ハットの快挙でも後悔… 仙台21歳MF茂木駿佑が偉業達成も硬い表情だったのは?

カテゴリ:Jリーグ

小林健志

2018年05月10日

攻撃面は納得も守備面は……。「これで終わったらそこまでの選手」

3点目となるFKを決めて見せ、この表情。しかし、守備面では反省点の多い試合ともなった。(C) J.LEAGUE PHOTOS

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 70分には横浜のウーゴ・ヴィエイラにゴールを許したが、82分に仙台FWジャーメイン良のゴールが決まり、4-2で勝利した仙台はグループステージ突破に大きく近づいた。

「まずは守備から入ろうという思いで試合に入ったので、ゴールという意識はありませんでした」という茂木だが、「左にボールがある時は案外フリーになれていたので、スプリントすれば絶対チャンスが転がってくると思いました。きついですが意識しました」。

 チーム全体で増やそうと意識しているスプリントを忠実に実践したことに加え、「ハチ君(蜂須賀孝治)もルヴァンカップで2点決めていますし、逆サイドは絶対空いていると分かっていたので、フリーになれて良かったです」。WBがゴールを狙うのは仙台らしい得点パターン。控え組の茂木もイメージは共有できていた。
 しかしハットトリックを達成しても、茂木は終始冷静な受け答えだった。課題とされている守備が「全然できていなかった」からだった。「前から行く部分は多少できていましたが、裏を取らせないカバーリングのところはやられてしまったので悔いが残っています」。この課題を修正しなければリーグ戦に出場できないことを分かっているからこそ、偉業を成し遂げても硬い表情を崩さなかった。「これを続けたいですし、これで終わったらそこまでの選手です」と浮ついた表情一つ見せずに語った茂木。このハットトリックでようやくリーグ戦のメンバーに入るためのスタートラインに立った。正念場のプロ4年目、ここで終わらず、リーグ戦でも攻守両面での活躍を期待したい。

取材・文●小林健志(フリーライター)

 
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