ヴェンゲルがやり遂げるべきラストミッション。
アーセナルだけでなく、プレミアリーグに携わるすべての人間が“革命者”ヴェンゲルに感謝しなくてはならない。それほどまでに、彼がやってのけた功績は大きいと言える。
シーズン終了までは、残り1か月を切っている。そのなかで、これまでにヴェンゲルの退任を求める抗議活動を行なってきたアーセナル・サポーターがいかなる反応を示すのかは実に興味深い。
シーズン終了までは、残り1か月を切っている。そのなかで、これまでにヴェンゲルの退任を求める抗議活動を行なってきたアーセナル・サポーターがいかなる反応を示すのかは実に興味深い。
この週末にはさっそく、本拠地エミレーツ・スタジアムでウェストハム戦が行なわれる。ここには全てのアーセナル・ファンが集い、クラブの最大の功労者であるフランス人指揮官に対して敬意を表し、彼が成し遂げてきたことに賛辞を贈るべきだと私は思う。
すでに英国メディアは後任人事についての話題で賑わっているが、2013年にアレックス・ファーガソンが25年に渡る長期政権を終えた後のマンチェスター・ユナイテッド同様、これは非常に難しい仕事になるはずだ。ヴェンゲルが君臨し続けた地位に新しく就くことは、いかなる名うての指揮官だろうと容易ではないだろう。
そんな後任監督たちのプレッシャーを少しでも和らげる意味でも、ヴェンゲルにとってのラストミッションである「ヨーロッパリーグ制覇」は重要となる。このクラブ史上初のタイトルを手にすれば、チームには来シーズンのチャンピオンズ・リーグ出場権がもたらされる。
もし、これをヴェンゲルが完遂してみせたとき、アーセナル・ファンは自分たちが今までいかに幸運だったかに気付かされるに違いない。
文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)
【著者プロフィール】
STEVE MACKENZIE/1968年6月7日にロンドンに生まれる。ウェストハムとサウサンプトンのユースでのプレー経験があり、とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からサポーターになった。また、スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国の大学で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝を飾った。