逆にセリエAでの活躍が認められてプレミアリーグに挑戦したのがガストン・ラミレスだ。
 
　ボローニャで結果を残したウルグアイ代表MFは、サウサンプトンやハル、ミドルスブラで輝けず。今シーズンからはサンプドリアに移籍し、久しぶりに戻ってきたセリエAでは二桁アシストと強いインパクトを残している。
 
　同じウルグアイ出身のクリスティアン・ストゥアニは、エスパニョールで活躍し、満を持してミドルスブラに移籍。2015-16シーズンは昇格に貢献したが、プレミアリーグでの翌シーズンは大きな結果を残せず、１年で去ることになった。スペインに舞い戻った今シーズンはジローナで17ゴールと得点ランク４位につけている。
 
 

　ミランのスソは最も周囲を驚かせた一人だろう。
 
　このスペイン人をミランが獲得したときは、懐疑的な声もあった。というのも、リバプール時代に活躍できなかったからだ。ミランでも移籍当初は苦しんだが、ジェノアへのレンタル移籍を機にブレイク。今ではミランに欠かせない主力となり、スペイン代表にも招集されるまでに成長している。
 
　マルセイユで今シーズンの公式戦18得点・16アシストと爆発し、移籍マーケットの注目銘柄となっている25歳のフランス代表FWフロリアン・トバンも、イングランドでは鳴かず飛ばずだった。ニューカッスルでの約半年間は、多くの人の記憶に残っていない。
 
　プレミアリーグで半年しかプレーしなかったのは、現バレンシアのシモーネ・ザザも同じだ。
 
　EURO2016でのPK失敗でイタリアを去り、ウェスト・ハムに移籍したが、爪痕を残すことができずにスペインへと旅立ったCFは、新天地のバレンシアで、今シーズンも12得点とチームを牽引する活躍をみせている。
 
　選手が大成するためには、環境や戦術など様々な条件が噛み合うことが必至だ。上記のリストの中で、将来的に、リバプールで覚醒したモハメド・サラーのように再びプレミアリーグに挑戦し、ステップアップする選手は出てくるのか。注目したい。