バルサとR・マドリーが擁する2人の“異才”。
その後、私はパリSGの試合を見た後に、ロンドンへと舞い戻った。トッテナムとユベントスのチャンピオンズ・リーグ(CL)決勝トーナメント1回戦の第2レグがウェンブリー・スタジアムで行なわれるためだ。
結果は周知の通りだ。そして、この試合の前半を見て、ソン・フンミンのゴールで先制したトッテナムがベスト8へ駒を進めると、大半の方々は思っていたはずだ。
結果は周知の通りだ。そして、この試合の前半を見て、ソン・フンミンのゴールで先制したトッテナムがベスト8へ駒を進めると、大半の方々は思っていたはずだ。
だが、ユベントスは我々の予想を覆してくれた。イタリアの絶対王者は、たった3分間で2点を奪って逆転に成功し、ラウンドを突破。過去3年で2度の決勝進出を成し遂げた理由を示してみせたのだ。
この旅では、至極の試合を見れたと思っている。バルサとR・マドリーは、ともにプロフェッショナリティーの塊で、ヨーロッパを勝ち抜く術を誰もが心得ていた。そのなかで、メッシとクリスチアーノ・ロナウドという二人の“異才”を擁しているのだから恐ろしい。
ユベントスは、悲願のCL制覇を成し遂げるために何が足らないのかを模索しているように見えた。それが今シーズン中に見つかれば、彼らの願いは成就することだろう。
彼らに比べれば、マンチェスター・Cは、まだまだ成長過程に過ぎない。プレミアリーグを独走しているとはいえ、ジョゼップ・グアルディオラのチームはまだ、ベストなチームになるための最中だ。そのために、CLのベスト8という緊張感の高まるなかでリバプールと激突するのは、良い試練となるだろう。
結局のところ、私は「最強チームがどこか?」という疑問への明確な答えを見出せていない。だが、この旅で得たヒントを元に、近いうちに答えを出していきたいと思う。やはり、フットボールは奥が深い。
文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)
【著者プロフィール】
STEVE MACKENZIE/1968年6月7日にロンドンに生まれる。ウェストハムとサウサンプトンのユースでのプレー経験があり、とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からサポーターになった。また、スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国の大学で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝に輝く。