2000万ユーロをいま払うか、1年後に払うか。
【レアル・マドリー】モラタのユベントス移籍は条件面での詰めが必要
アルバロ・モラタがアーセナル行きを保留したのは、ユベントス行きを望んでいるからだ。もちろん、本人の第一希望はレアル・マドリー残留だ。しかし、クラブがルイス・スアレス(リバプール)の獲得に乗り出したいま、来シーズンはさらに出番が少なくなるであろうことも自覚している。
移籍はそれゆえの決断だ。そしてその場合の行き先は、ロンドン(アーセナル、トッテナム)ではなくトリノ(ユベントス)。6月2日にはR・マドリーとユベントスのオフィシャルディナーが設定されており、その場で話題に上るのは間違いない。R・マドリーが提示している条件は、2000万ユーロ(約28億円)で売却しつつ、もしそれを上回る金額を提示すれば1年後に買い戻せるオプションを担保するというもの。
ただし、ユーベはそれに応じるつもりはない。こちらは、買い取りオプション付きのレンタルで獲得しつつ、2000万ユーロを上回る金額でR・マドリーが買い戻す場合にはそれに応じるというもの。その差分は選手の市場価値を高めたことに対する報酬というわけだ。
いずれにしても値札は2000万ユーロ。それをユベントスがいま払うか、それとも1年後に払うかの違いだ。
【ローマ】ベナティアを売る気はまったくない
モロッコ代表合宿でのインタビューで、移籍志願とも受け取れる発言をして物議を醸したメハディ・ベナティアについて、ローマのワルテル・サバティーニSDは5月31日に記者会見を開き、売却の意思が一切ないことを明言した。以下はそのコメント。
「彼がより良い条件のオファーを蹴って我々のプロジェクトに参画してくれたのは事実だ。その時に私は確かに、ベストを尽くして結果が出れば契約見直しも考えると言った。その内容について見解の相違があったということだ。我々は年俸アップでの契約見直しをオファーした。彼がそれをお笑い草だと言ったのは、母国語ではない言葉で話したがゆえのミスだと考えている。この一連の騒ぎの元凶はシッソコ(ベナティアの代理人)だ」
「ベナティアはシーズンを通しての振る舞いで偉大なプレーヤーであることを示した。まさにそれゆえに、我々にとっては手放せない戦力だ。彼との契約はあと4年残っている。代理人がつけた3000万ユーロ(約42億円)という値札は、彼の片足分に過ぎない。しかも利き足ではない方のね。もし彼の価値に見合ったオファー、少なくとも6000万ユーロ(約84億円)、いや6100万ユーロ(約85億4000万円)以上のオファーがあれば検討せざるを得ないが……」
【翻訳】
片野道郎
翻訳者からのごあいさつ
イタリアのスポーツ専門局『SkySport』を舞台に活躍するジャンルカ・ディ・マルツィオは、移籍専門記者という新たなジャンルを独力で切り開いた草分けにして、他をまったく寄せ付けないトップランナーです。
イタリア国内ではすでに数年前から超メジャーな存在でしたが、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラ監督のバイエルン入りという大スクープをものにして、一躍ヨーロッパ中でその名を知られるようになりました。その後も、ウィリアン(当時シャフタール・ドネツク)がトッテナムからチェルシーに寝返った顛末など、イタリアにいながらワールドワイドな移籍情報をいくつもスクープしています。
セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち(iPhoneのアドレス帳には3000人以上のコンタクトが入っています)、他の記者には絶対入手できないディープな情報をキャッチ。素晴らしいのは、しっかり裏が取れるまでは決して情報を出さないところです。
ご存じの通り、世界中を飛び交っている移籍関連ニュースの大半は、誰かの願望や思惑に基づくただの噂でありそれ以上ではありませんが、ディ・マルツィオが発信するニュースは、すべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではありません。移籍ネタに関しては、どんなにありそうな話でもディ・マルツィオが書くまでは嘘か本当かわからない、どんなにあり得ない話でもディ・マルツィオが書いたら本当、というのが、もはやこの業界の常識になっているくらいです。
ツイッターのフォロワーは全世界で約30万人。日本では13年7月から『ワールドサッカーダイジェスト』誌に連載コラムを寄稿しています。先月、この連載を休載した時には、日本のフォロワーからいくつも問い合わせのリプライが飛んで来たほどの人気です。
そんなディ・マルツィオのオフィシャルサイト『gianlucadimarzio.com』から、移籍関連を中心とする最新ニュースを毎日厳選してお伝えするのがこのコーナー。サプライズはあっても「ガセ」はありませんから、安心してお読みください。(片野道郎)
アルバロ・モラタがアーセナル行きを保留したのは、ユベントス行きを望んでいるからだ。もちろん、本人の第一希望はレアル・マドリー残留だ。しかし、クラブがルイス・スアレス(リバプール)の獲得に乗り出したいま、来シーズンはさらに出番が少なくなるであろうことも自覚している。
移籍はそれゆえの決断だ。そしてその場合の行き先は、ロンドン(アーセナル、トッテナム)ではなくトリノ(ユベントス)。6月2日にはR・マドリーとユベントスのオフィシャルディナーが設定されており、その場で話題に上るのは間違いない。R・マドリーが提示している条件は、2000万ユーロ(約28億円)で売却しつつ、もしそれを上回る金額を提示すれば1年後に買い戻せるオプションを担保するというもの。
ただし、ユーベはそれに応じるつもりはない。こちらは、買い取りオプション付きのレンタルで獲得しつつ、2000万ユーロを上回る金額でR・マドリーが買い戻す場合にはそれに応じるというもの。その差分は選手の市場価値を高めたことに対する報酬というわけだ。
いずれにしても値札は2000万ユーロ。それをユベントスがいま払うか、それとも1年後に払うかの違いだ。
【ローマ】ベナティアを売る気はまったくない
モロッコ代表合宿でのインタビューで、移籍志願とも受け取れる発言をして物議を醸したメハディ・ベナティアについて、ローマのワルテル・サバティーニSDは5月31日に記者会見を開き、売却の意思が一切ないことを明言した。以下はそのコメント。
「彼がより良い条件のオファーを蹴って我々のプロジェクトに参画してくれたのは事実だ。その時に私は確かに、ベストを尽くして結果が出れば契約見直しも考えると言った。その内容について見解の相違があったということだ。我々は年俸アップでの契約見直しをオファーした。彼がそれをお笑い草だと言ったのは、母国語ではない言葉で話したがゆえのミスだと考えている。この一連の騒ぎの元凶はシッソコ(ベナティアの代理人)だ」
「ベナティアはシーズンを通しての振る舞いで偉大なプレーヤーであることを示した。まさにそれゆえに、我々にとっては手放せない戦力だ。彼との契約はあと4年残っている。代理人がつけた3000万ユーロ(約42億円)という値札は、彼の片足分に過ぎない。しかも利き足ではない方のね。もし彼の価値に見合ったオファー、少なくとも6000万ユーロ(約84億円)、いや6100万ユーロ(約85億4000万円)以上のオファーがあれば検討せざるを得ないが……」
【翻訳】
片野道郎
翻訳者からのごあいさつ
イタリアのスポーツ専門局『SkySport』を舞台に活躍するジャンルカ・ディ・マルツィオは、移籍専門記者という新たなジャンルを独力で切り開いた草分けにして、他をまったく寄せ付けないトップランナーです。
イタリア国内ではすでに数年前から超メジャーな存在でしたが、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラ監督のバイエルン入りという大スクープをものにして、一躍ヨーロッパ中でその名を知られるようになりました。その後も、ウィリアン(当時シャフタール・ドネツク)がトッテナムからチェルシーに寝返った顛末など、イタリアにいながらワールドワイドな移籍情報をいくつもスクープしています。
セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち(iPhoneのアドレス帳には3000人以上のコンタクトが入っています)、他の記者には絶対入手できないディープな情報をキャッチ。素晴らしいのは、しっかり裏が取れるまでは決して情報を出さないところです。
ご存じの通り、世界中を飛び交っている移籍関連ニュースの大半は、誰かの願望や思惑に基づくただの噂でありそれ以上ではありませんが、ディ・マルツィオが発信するニュースは、すべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではありません。移籍ネタに関しては、どんなにありそうな話でもディ・マルツィオが書くまでは嘘か本当かわからない、どんなにあり得ない話でもディ・マルツィオが書いたら本当、というのが、もはやこの業界の常識になっているくらいです。
ツイッターのフォロワーは全世界で約30万人。日本では13年7月から『ワールドサッカーダイジェスト』誌に連載コラムを寄稿しています。先月、この連載を休載した時には、日本のフォロワーからいくつも問い合わせのリプライが飛んで来たほどの人気です。
そんなディ・マルツィオのオフィシャルサイト『gianlucadimarzio.com』から、移籍関連を中心とする最新ニュースを毎日厳選してお伝えするのがこのコーナー。サプライズはあっても「ガセ」はありませんから、安心してお読みください。(片野道郎)