もっともこの大会に関して、Jリーグ側の反応はいささか冷淡にも感じられる（今回が第１回大会ということで様子見を決め込んだのかもしれないが）。そんななか、札幌が参加を決めたのは、野々村社長が中村氏の考えに共鳴したことが第一に挙げられよう。とはいえ、現地の練習環境は「ハワイ大学（の天然芝グラウンド）でギリギリ」（野々村社長）。また、人工芝のスタジアムでの試合も、札幌にとっては不利な環境であった（他の３チームは人工芝に比較的慣れている）。今回は優勝したものの、札幌が次の大会でも出場を希望するかどうかは、エクスキューズが付くかもしれない。
 
　最後に、いわきについても触れておこう。東北２部のアマチュアである彼らが参加できた理由は、アンダーアーマーが大会スポンサーとなったことに尽きる（いわきのスポンサーである株式会社ドームは、日本におけるアンダーアーマーの総代理店）。結局、２試合とも敗れたものの、フィジカルを前面に押し出した彼らのプレーは、MLS勢を相手に一歩も引けを取らないものであった。「次回も参加したい！」と心から思っているのは、間違いなく彼らであろう。
 
取材・文●宇都宮徹壱