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【小宮良之の日本サッカー兵法書】ハリルジャパンが採るべきは「卑屈な戦術」でなく「謙虚な戦術」

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2018年01月21日

サイドアタッカーが守備で持ち場を守れるか!?

守るためには、ただ守りの人数を増やせば良いというものではない。その悪しき例として挙げられるのは、1997年に行なわれたフランスW杯予選の韓国戦(写真)だ。この時の失敗を繰り返さないように……。 (C) Getty Images

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 その点で見れば、両サイドのアタッカーが鍵を握るのではないか。原口元気、乾貴士、齋藤学といった選手たちは、ドリブルでサイドを切り込み、敵陣深くで相手を攪乱し、脅威を与え、得点シーンを作り出せる。単純にスピードに優れ、機動力に特長がある。日本が勝機を掴むには、決して欠かせない。
 
 まずは、彼らが守備で持ち場を守れるか。本来、機動力を用いた打撃を得意とする原口や乾に、守備を強いることは得策ではない。しかし、格上の相手と戦う以上、彼らも拠点をしっかりと防御する任務が求められる。守備で我慢し、攻撃に転じるのだ。
 
 日露戦争において、騎兵を率いた秋山好古は、兵士たちに下馬させ、迎撃させたという。当時、世界最強といわれたコサック騎兵の猛攻を、塹壕に拠って機関銃を用いて凌いでいる。
 
 5倍近い兵力差を、火力による拠点防御でカバー。その上で挺身隊を募り、騎兵を持って後方を攪乱、陽動し、巨大な戦力を戦いに参加させなかった。騎兵に歩兵、砲兵、工兵をミックスし、最強騎兵の侵攻を防御。一方で機動力を失わず、高速運動で敵を怯ませた。発想の転換によって、敵を破ったのだ。
 
 ハリルジャパンが防御を厚くする考え方は、的外れではない。しかし攻撃に転じる時、存分に能力を発揮できる選手も配置するべきである。さもなくば、多少は肉弾戦で善戦できたとしても、最後は必ず敗れることになるだろう。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、今年3月にはヘスス・スアレス氏との共著『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』(東邦出版)を上梓した。
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