「すべて見抜かれた…」梅崎司の心を揺さぶった移籍交渉で曺監督は何を語ったか?

カテゴリ:Jリーグ

佐藤亮太

2018年01月19日

交渉の場では「時間を忘れてサッカーの話をした」と曺監督。

梅崎との移籍交渉について明かした曺監督。互いのサッカー観をぶつけ合う話し合いはあまりなかったことだという。写真:田中研治

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 今回の梅崎獲得は曺監督のたっての希望だった。クラブ幹部も「以前から欲しかった選手。このタイミングしかない」とオファーを出した。
 
 長く下部組織の指導に当たっていた曺監督は、07年のU-20ワールドカップ・カナダ大会の頃から梅崎を見ていた。得点力のあるドリブラーとして、そして競争が激しい浦和で10年間、プレーしたことを評価。また「梅崎のプレーの本質はなにか?」を確認するため、プロの第一歩となった大分トリニータのスタッフに連絡し、話を聞くという入念さ。
 
「梅崎のような自分のプレーでチームを勝たせる気持ち。その部分がいまの湘南には足りない」と改めて必要な選手であることを確信した。
 
 さらに3度の膝の大ケガを乗り越えて、たどり着いたその生き様も。
「今年のチームのテーマは“飽くなき向上心”。まさに梅崎司を表わしている」とチームの目指す方針に合致した。
 
 決め手となった「すべてを見抜かれた」と梅崎が驚いた曺監督の眼力はその選手を長く、じっくり愛情をもって見ることにありそうだ。
 
 今回の“予想外の移籍”は、必然だったのかもしれない。梅崎との会話を曺監督はこう振り返る。
「来る、来ないはその時は分からないが、話をしていて楽しかった。時間を忘れてサッカーの話をした」
 
 交渉の場でそうした互いのサッカー観をぶつけ合うような話は、これまであまりなかったケースだという。両者の想いを共有できたひと時となった。
 
 梅崎にとって行きたかった場所。曺監督にとって求めていた人材。相思相愛の移籍となった。
 
 1月12日。湘南の練習場――。馬入グラウンドでリハビリを終えた梅崎と会った。「この色になりましたよ、似合うかどうか分かりませんが」と見せたのは、緑と青の湘南カラーの練習用ジャージ。その目は希望と野望に満ち満ちていた。
 
取材・文●佐藤亮太(レッズプレス!!)
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