アンデルセン監督は選手のメンタル面にも変化をもたらそうとしている。
「現役時代にFWだったことも影響しているのか、アンデルセン監督の戦術は攻撃的であると言えるでしょう。それと同時に、全体のバランスも重視しているように見えます。これまでの代表チームは、“攻撃は最大の防御”を地で行くスタイルで、とにかく相手をシューティングエリアに入れないことを強調していましたが、アンデルセン監督は闇雲にクリアすることを嫌う。ボールを回してキープする戦い方がベースなんです」
また、アンデルセン監督は、選手のメンタル面にも変化をもたらそうとしているらしい。
「そもそも代表選手たちは、社会主義制度の中で育ってきたため、サッカーに取り組む姿勢は西側諸国のそれとは異なります。“任務”として、国のために戦うという思いが強いのです。それはメンタルの強さにもつながりますが、それがすべてプラスになるかと言えばそうではありません。時にはその覚悟が強すぎるあまり、自らにプレッシャーを課してしまう逆効果もあるでしょう。アンデルセン監督は就任当初、そういった選手の緊張をほぐそうとしているように感じました。実際に試合を見ても、選手がのびのびとプレーしているように見えます」
ただ、肝心の成績は振るっていない。香港、レバノンと対戦したアジアカップ2019最終予選では3戦を戦ってひとつも勝利を挙げられなかった。10月10日、11月13日に行なわれた同予選でマレーシアに2連勝したものの、アンデルセン体制では、まだこれといった成果を挙げられていないのが実情だ。
こうした現状について李理事長も「アンデルセン監督は選手の自主性や自律性を大切にしているので、想定通りとはいってませんよね」と苦笑いを浮かべるが、いつまでも悠長でいられないのも事実らしい。「E-1選手権の結果次第では自身の進退も問われるかもしれない」とも語る。
はたして、北朝鮮は今回のE-1選手権で低迷を脱することができるだろうか。アンデルセン監督の真価が問われる大会になる予感だ。
取材・文●李仁守(ピッチコミュニケーションズ)
また、アンデルセン監督は、選手のメンタル面にも変化をもたらそうとしているらしい。
「そもそも代表選手たちは、社会主義制度の中で育ってきたため、サッカーに取り組む姿勢は西側諸国のそれとは異なります。“任務”として、国のために戦うという思いが強いのです。それはメンタルの強さにもつながりますが、それがすべてプラスになるかと言えばそうではありません。時にはその覚悟が強すぎるあまり、自らにプレッシャーを課してしまう逆効果もあるでしょう。アンデルセン監督は就任当初、そういった選手の緊張をほぐそうとしているように感じました。実際に試合を見ても、選手がのびのびとプレーしているように見えます」
ただ、肝心の成績は振るっていない。香港、レバノンと対戦したアジアカップ2019最終予選では3戦を戦ってひとつも勝利を挙げられなかった。10月10日、11月13日に行なわれた同予選でマレーシアに2連勝したものの、アンデルセン体制では、まだこれといった成果を挙げられていないのが実情だ。
こうした現状について李理事長も「アンデルセン監督は選手の自主性や自律性を大切にしているので、想定通りとはいってませんよね」と苦笑いを浮かべるが、いつまでも悠長でいられないのも事実らしい。「E-1選手権の結果次第では自身の進退も問われるかもしれない」とも語る。
はたして、北朝鮮は今回のE-1選手権で低迷を脱することができるだろうか。アンデルセン監督の真価が問われる大会になる予感だ。
取材・文●李仁守(ピッチコミュニケーションズ)