自力で残留するには1勝1分が必要。
清水は元々ロングボール攻勢の対応は得意ではなく、札幌は相性の悪い相手と言えるが、ジェイの高さだけでなく足下の技術やキープ力も存分に生かした札幌のほうが、明らかに一枚上手だった。
札幌のもうひとつの武器はセットプレーだ。フィールドプレイヤー10人のうち8人が180センチ以上で、福森晃斗のキックも非常に質が高い。だが、清水は全員が集中して何とか対応し、セットプレーからはビッグチャンスを一度も作らせなかった。そこは収穫の少ない試合のなかでは、貴重なプラス要素と言える。
ただ、攻撃面でのプラス材料は少なかった。札幌のプレッシャーが徐々に緩んできたなかで、清水がパスをつないで押し込む時間を増やしていったが、守る時は5-4-1のような布陣で球際も強い札幌の守備をなかなか崩しきれない。相手のゴール前が整っている状況でクロスボールを入れても、高さで勝つことはできない。
そのためコンビネーションで崩すという意図は見えたが、細かいところでタイミングやパスコース、ファーストタッチの精度などが合わないことが多く、決定機には到らない。何度か惜しいところまで行く場面はあったが、「少し余裕がないので、結局最後のところが仕留められない」(小林伸二監督)という状況。後半には187センチの長谷川悠やスピードが武器の村田和哉、そして怪我から復帰したエースの鄭大世も投入したが、突破口を開くことはできないままだった。
90分のなかで本当に決定機と言えたのは、回数の多かったセットプレーからの2回だけで、終わってみれば5試合連続ノーゴール。残り2試合で16位の甲府と勝点差3という苦境に立たされた。
清水が自力でJ1に残留するためには、残り2試合を1勝1分以上で終える必要がある。守備に関しては、相手への対応を読み違えなければ修正は可能だろう。セットプレーの守備も改善されている。
だが、勝つためには点を取らなければならない。そのために自分たちのストロングポイントをどう生かしていくのか。そのヒントとなるような具体的なコメントは、ショックの大きな敗戦の直後では出てこなかったが、鄭が復帰したなかで個の力に頼るのか、チームとしてゴールへの道筋を作れるのか。新潟戦までの中7日で、何か答を見出さなければならないだろう。
取材・文:前島芳雄(フリーライター)
札幌のもうひとつの武器はセットプレーだ。フィールドプレイヤー10人のうち8人が180センチ以上で、福森晃斗のキックも非常に質が高い。だが、清水は全員が集中して何とか対応し、セットプレーからはビッグチャンスを一度も作らせなかった。そこは収穫の少ない試合のなかでは、貴重なプラス要素と言える。
ただ、攻撃面でのプラス材料は少なかった。札幌のプレッシャーが徐々に緩んできたなかで、清水がパスをつないで押し込む時間を増やしていったが、守る時は5-4-1のような布陣で球際も強い札幌の守備をなかなか崩しきれない。相手のゴール前が整っている状況でクロスボールを入れても、高さで勝つことはできない。
そのためコンビネーションで崩すという意図は見えたが、細かいところでタイミングやパスコース、ファーストタッチの精度などが合わないことが多く、決定機には到らない。何度か惜しいところまで行く場面はあったが、「少し余裕がないので、結局最後のところが仕留められない」(小林伸二監督)という状況。後半には187センチの長谷川悠やスピードが武器の村田和哉、そして怪我から復帰したエースの鄭大世も投入したが、突破口を開くことはできないままだった。
90分のなかで本当に決定機と言えたのは、回数の多かったセットプレーからの2回だけで、終わってみれば5試合連続ノーゴール。残り2試合で16位の甲府と勝点差3という苦境に立たされた。
清水が自力でJ1に残留するためには、残り2試合を1勝1分以上で終える必要がある。守備に関しては、相手への対応を読み違えなければ修正は可能だろう。セットプレーの守備も改善されている。
だが、勝つためには点を取らなければならない。そのために自分たちのストロングポイントをどう生かしていくのか。そのヒントとなるような具体的なコメントは、ショックの大きな敗戦の直後では出てこなかったが、鄭が復帰したなかで個の力に頼るのか、チームとしてゴールへの道筋を作れるのか。新潟戦までの中7日で、何か答を見出さなければならないだろう。
取材・文:前島芳雄(フリーライター)