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【ベガルタ戦記】渡邉晋の『日晋月歩』|ピッチ内で下された判断に選手たちの成長を感じた

カテゴリ:連載・コラム

渡邉 晋

2017年11月01日

ピッチ内の判断で戦い方を変更してくれた。

ルヴァンカップ準決勝、そして29節と川崎戦では苦い経験を味わった。しかし選手たちはそれを糧に成長してくれている。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 ピッチ状態が悪い、ボールが走らない試合になった時に大切なことは、とにかく“闘う”ことだ。相手よりも多く走る、球際で勝つ。それは我々が普段から強調していること。その部分で相手をどれだけ上回れるかが勝敗を決める。
 
 その指示には、天候が天候だけにそうせざるを得なかったということ以外に、私自身のなかで狙いがあった。ルヴァンカップも天皇杯も敗退し、リーグ戦では優勝争いやACL出場権、残留争いにも絡んでいない。シーズン最終盤に入ったが、どうしても目標を見失いがちだ。
 
 それを払拭するには、「とにかく目の前のゲームに必死になる」こと。開催すら危ぶまれる悪天候のなか、大阪まで駆け付けてくれたサポーターにも、そういう姿を見せなきゃいけないという気持ちがあったので、グラウンド状態が悪いのも、ある意味で良い機会だなと思った。
 
 試合開始直前にはだんだん雨が上がってきたのだが、「いつも通りで大丈夫」という指示を出して、想定外のところでボールが止まってしまうのも困る。そのため、最初は割り切って、「蹴って走れ」と選手たちを送り出した。
 
 だが、蓋を開けると思いの外ボールが走った。それを確認してから、積み上げてきた仙台のサッカーを選手たちが自主的に選択してくれたのは良かった。「監督に言われたから前に蹴り込むんだ」とはならずに、ピッチ内の判断で戦い方を変更してくれた。
 
 19分に喫したリスタートからの失点は本当にもったいなかったが、リズム良くゲームを進められていた。そんななかで22分に奥埜(博亮)が同点ゴールを決めたが、あのゴールには今季積み上げてきたものが凝縮されていたと思う。対G大阪の狙いも重なった、素晴らしい得点だった。
 
 様々な準備をしても、それが発揮できないシチュエーションはサッカーならば多々ある。それに対応できなかったのが序盤戦の我々だ。ルヴァンカップ準決勝、そして29節と川崎戦での苦い経験を経て、ようやく選手が自立してやれることが増えているのは、とても頼もしく、また逞しく感じる。
 
 今季は開幕から攻撃の整備を一生懸命に施し、ボール保持率も上がった。その分イケイケになってしまい、悪い奪われ方をしてカウンターから失点することもあった。だが、今節は「勝点3」を狙いながらも、「まずしっかり守ろう」という覚悟が選手たちから感じられた。
 
 しっかりと流れを読んで、意思統一を図って、プランを実行する。そういう成長を目の当たりにした一戦でもあった。
 
構成:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
 
※渡邉監督の特別コラムは、J1リーグの毎試合後にお届けします。次回は11月18日に行なわれる32節・大宮戦の予定。お楽しみに!

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