ペトロヴィッチ時代の戦術の“偏り”を解消した堀レッズの妥当性

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェストWeb編集部

2017年10月18日

堀レッズに足りないピースを埋めるのは…。

ACL準決勝第1戦・上海上港戦(△1-1)の布陣。フッキらが中心の上海上港の攻撃に組織力で対抗。粘り強くチェックを繰り返し、最少失点に抑えた。

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 どちらが良い戦術か、それは一概には言えない。事実、堀体制となって失点が減ったわけでもないし、クリーンシートは相変わらず少ない。とはいえ、ペトロヴィッチの戦術がJリーグで研究し尽くされ、さらに戦術の要だったドリブラーの関根が移籍したことを踏まえれば、堀監督の改革は妥当と言っていいはずだ。
 
 また、ペトロヴィッチはDFにビルドアップ能力を求めたため、純粋なCBが慢性的に駒不足だったが、マウリシオの加入でこの点に目処が立ったのも、4-1-4-1導入の妥当性を裏付ける。ただし、遠藤航は4バックのCBとしては人を追い過ぎる嫌いがあり、4バックならSBかボランチのほうが良いだろう。阿部もCBとしてはデュエルがさほど強くなく、堀レッズに足りないピースはまだある。
 
 戦術が変われば、必要な人材も変わる。中盤ではこれまでポジションを見つけづらかった長澤和輝や矢島慎也といった若手MFが、インサイドハーフで出番を掴んだ。新体制の戦術はチームの高齢化という問題を解決するポテンシャルもある。
 
 今後の注目は、上海上港との敵地での準決勝第1レグを1-1で乗り切ったACL。これまで中国勢を惑わせてきたペトロヴィッチの独特な攻撃スタイルが失われた一方で、現チームはコンパクトかつ組織的な守備で、フッキやオスカールといった強烈な個に対抗してみせた。ホームの第2レグ(10月18日)が楽しみだ。
 
文:清水英斗(サッカーライター)
 
※『サッカーダイジェスト』2017年10月26日号(同10月12日発売)「サムライ・タクティクス」より抜粋
 
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