【ベガルタ戦記】渡邉晋の『日晋月歩』|セットプレーの前段階にこそ改善の余地がある

カテゴリ:連載・コラム

渡邉 晋

2017年09月20日

あまりナーバスになる必要はない。

セットプレーについてはコーチ陣に一任。そのなかでスタッフだけでなく選手もいろいろと工夫してくれている。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 最初の45分間は「確実につなごう」という姿勢が見て取れ、それにうちが前線からプレッシャーを掛けていた。そのため、厳しい状況になってからロングボールを放り込むような形になり、ボールがそのままタッチラインを割るシーンもあった。
 
 それに対して、後半は「シンプルに相手陣に入る」というプレーが増えた。そのため、うちが前掛かりになったこともあって、ボランチの頭を越えたボールに対して戻り切れずにセカンドボールを拾われてしまった。
 
 改めてセットプレーについて話しておくと、ゾーンディフェンスを取り入れたのは2015年シーズンからだ。マンツーマンで守っていた14年の失点シーンを振り返った際に、ブロックされてマークを外される場面が目に付いた。
 
 その修正案を考えた時に、あるチームのゾーンディフェンスをうちが攻略しにくかったことを思い出し、それを参考にした。
 
 選手たちには守り方のメリットとデメリットをしっかりと説明して、微調整を繰り返しながら、相手がつけ込んでくる隙をなくそうという取り組みを行なってきた。スタッフから促しているものもあれば、選手間の話し合いで修正された部分もある。
 
 もちろん、所属する選手たちの特長も考慮しなければならない。昨季はCBのふたり(渡部博文、平岡康裕)が「ゾーンのほうが守りやすい」というタイプだったので、敢えて守備方法を変えるリスクを抱えなかった。
 
 基本的にセットプレーについては、コーチ陣を信頼して一任している。そんななかで、スタッフも選手も映像を確認して、変化を付けるなど、いろいろと工夫をこらしてトレーニングしてくれている。
 
 ゾーンディフェンスを始めて2シーズン半が経過したが、手応えは感じられている。FC東京戦のように一発でズドン!と決められるシーンも数えるほどしかない。もちろんゼロにしたいのだが、あまりナーバスになる必要もないと思う。
 
 一方で、やはり勝点を確実に稼いでいるチームは、セットプレーによって勝利や引き分けを引き寄せる強さがある。そういうチームにならなければいけないし、絶対にしてみせるんだという強い気持ちもある。
 
 次節は上位のC大阪との戦いが待っているが、この時期になるとどのゲームも大一番だ。怯まずに戦って勝利を挙げ、中位から上に食らい付いていきたい。
 
構成:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
 
※渡邉監督の特別コラムは、J1リーグの毎試合後にお届けします。次回は9月23日に行なわれる27節・C大阪戦後の予定。お楽しみに!
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