【名古屋】"らしさ"は見せるも結果は……高まる守備の不安に風間監督の判断は?

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2017年09月11日

名古屋らしさを見せつけてはいるが…。

【警告】名古屋=イム・スンギョム(6分)、小林(86分) 大分=福森(45+1分)、上福元(72分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】鈴木義宜(大分)

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 その証拠に、後半から玉田に代えて永井龍を投入したチームは力を回復できた。もちろん前半の反省を活かした部分も含まれるわけだが、そもそもスクランブル発進だった試合だけに、選手の使い方には一考の余地があったようにも思える。
 
 大分は緊密な守備組織で名古屋の攻撃の迫力を削ぎ、後藤優介らのスピードを生かしたカウンターで多くのチャンスを作った。90分間のシュート数では負けていても、決定機の数では負けていない。

 そうした脅威へ何とか対応しようと奮闘していた新井が、カウンター対応で芝に足を取られて負傷したのは何とも皮肉なことだった。新井は「やっちゃいました……。前十字靭帯だと言われました」と試合後にコメント。正確な診断結果は翌日以降になるが、長期離脱は免れなさそうだ。
 
 せっかく盛り返してきたところでディフェンスリーダーを失った名古屋は、それでも打ち合いに転じ、代役のワシントンもさすがの守備スキルを見せて大きな穴を空けることはなかった。

 しかし、そこから少なくとも2度あった決定機はものにできず、最終盤の89分にコーナーキックから失点。鈴木義宣がフリーで叩いたヘディングシュートが、楢崎正剛とワシントンが“お見合い”するような形でぽっかり空いたゴールに吸い込まれたのは、この日の名古屋のチグハグさを象徴するようでもあった。
 
 試合を通して見れば名古屋らしい攻撃の強さは見せつけてもいる一方で、これまで以上に守備の問題点が足を引っ張っている。この現状、症状を風間八宏監督以下、チームがどのように捉えて次に進むかは非常に重要だ。
 
 大分が統制の取れた守備で前半の主導権を握ったことを考えても、試合の支配の仕方は多種多様に及ぶ。名古屋は名古屋らしい支配の仕方を変える必要はないが、そこにさらなるバリエーションと機敏な対応が求められているのではないか。
 
取材・文:今井雄一朗(フリーライター)
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