【藤田俊哉の目】日本が目指すべきサッカーはカウンター主体のスタイルなのか?

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェストWeb編集部

2017年09月07日

W杯に限らず日本サッカーのスタイルを確立する意味でも積極的な議論を。

豪州戦ではカウンター戦術の中でも乾のキープ力が良いアクセントになっていた。今後、日本はいかなるスタイルで勝負していくべきなのか。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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 もっとも、すでに最大のミッションをクリアしていた日本と、この一戦にすべてをかけて挑んできたサウジアラビア。両者の差は明らかだったし、頭で理解していたとしても、同じ集中力で戦うことなんて、なかなかできるものではないことは想像できる。だからこそチームに新たなモチベーションを与える必要があった。失うものがない立場だったからこそ、なおさらである。
 
 いずれにしても、オーストラリア戦の印象があまりにも良かっただけに、今回は対照的なゲームとなってしまった。これまで選手起用のローテーションはすべてうまくいっていたと思われていたが、この日のサウジアラビアには、守ってカウンターという戦術も通用しなかった。チームとしてもシビアに受け止めなければならない結果となったと言わざるを得ない。
 
 あえてポジティブな要素を挙げるとしたら、タフなゲームを通して今後の日本の課題が見えたことだろうか。
 
 繰り返しになるが、ディフェンシブに戦ってカウンターで得点を奪いにいくスタイルは、ボール回しがうまくないオーストラリアにはハマっていたが、テンポが違い、さらにボール回しがうまいサウジアラビア相手には通用しなかった。どういうサッカーを本大会でするのがベストなのか? 今後どんなサッカーを日本は目指すべきなのか? そんな課題を突きつけられた試合になった。
 
 あくまでもボールをつなぎ攻撃を仕掛けるスタイルで行くのか。それとも、カウンター主体のサッカーで短期決戦での結果を追い求めていくのか。カウンターサッカーは時として効果的だが、果たして、それは日本サッカーが目指すべきスタイルであるのか。そんなことを自問自答するキッカケにもなったわけだけれど、ワールドカップだけのことに限らず、今後の日本のサッカースタイルを確立する意味でも、積極的に議論し決定していく必要はあるだろう。
 
 本大会に向けて準備期間は残り9か月。ワールドカップでは今回のサウジアラビア戦以上にもっとタフなゲームが待っている。10月、11月には親善試合があるし、12月には東アジア選手権が控えている。今後のテストマッチを通して選手たちがスケールアップし、大きなチャンスを掴んでくれる選手がひとりでも多く現われることを楽しみにしている。
 
◆プロフィール
藤田俊哉(ふじた・としや)/1971年10月4日生まれ、静岡県出身。清水市商高-筑波大-磐田-ユトレヒト(オランダ)-磐田-名古屋-熊本-千葉。日本代表24試合・3得点。J1通算419試合・100得点。J2通算79試合・6得点。J1では、ミッドフィルダーとして初めて通算100ゴールを叩き出した名アタッカー。2014年からオランダ2部VVVフェンロのコーチとして指導にあたり、16-17シーズンのリーグ優勝と1部復帰に導いた。今季よりイングランドのリーズ・ユナイテッドでスタッフ入りした。藤田俊哉×H.I.S.ブログ『藤田俊哉サロン』( http://www.sports-his.com/fujitai_column/index.html )好評更新中。

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