【CL回想録】王者たる所以を見せつけたバルサ、世界を驚嘆させた中村俊輔のFK

カテゴリ:ワールド

サッカーダイジェストWeb編集部

2017年09月07日

名手ファン・デルサールを脱帽させた中村の鮮烈FK。

日本人初ゴールもさることながら、マンチェスター・Uを相手に決めたことが特大のインパクトをもたらした。 (C) Getty Images

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 ここ十何年のCLのグループステージの歴史を振り返ると、日本人選手による活躍も目立つ。そのなかで最も鮮烈なインパクト残したと言えるのが、現在ジュビロ磐田に所属する中村俊輔だろう。
 
 当時スコットランドの超名門セルティックに所属していた中村は、同じグループに入った強敵マンチェスター・ユナイテッド戦において、まさに歴史的名場面を作り出した。
 
 まず魅せたのは2006年9月13日、敵地オールド・トラフォードに乗り込んでのグループ初戦だ。1-2でビハインドを負って迎えた43分、その時が訪れた。
 
 敵ゴール前約30メートルの位置でFKのチャンスを得た中村は、伝家の宝刀である左足を一閃。ボールは完璧な弧を描き、ネットを揺らした。
 
 この時、マンチェスター・Uのゴールを守っていたオランダの名手エドウィン・ファン・デルサールが一歩も動けなかったことからも、そのキック精度の高さが窺い知れた。
 
 CL史上初となる日本人得点者となった中村。試合は惜しくも2-3と競り負けたが、日本が世界に誇るファンタジスタの躍動は、これだけに止まらない。2006年11月21日、マンチェスター・Uとのリターンマッチで再び見せ場がやって来たのだ。
 
 舞台は本拠地セルティック・パーク。クラブ史上初となるCLグループステージ突破がかかった一戦とあって、スタンドは超満員となっていた。しかし、ファンの思いとは裏腹にセルティックはマンチェスター・Uの堅守に苦しみ、終盤に入っても無得点のままだった。
 
 そして、スコアレスで迎えた81分だった。中村にグループステージ初戦と同じような位置でのFKのチャンスが訪れる。
 
 スタンドの目線が、この日本人キッカーに注がれるなか、冷静にゴールを見定めたレフティーは、またも鮮やかな軌道のボールをゴールへと蹴り込み、ファン・デルサールの牙城を崩したのだ。
 
 結局、このFK弾が決勝点となり、セルティックは勝利。クラブ史上初のCLグループステージ突破という悲願を達成し、この瞬間、中村はセルティックのレジェンドとしてその名を歴史に刻むこととなった。
 
 試合後にファン・デルサールが、「言い訳するわけではないけど、あんなキックを蹴られたら、GKにできることなんて何もない」と漏らしたほどの鮮烈なキックは、今なおセルティックのファンの間では語り草となっており、ちょうど10年目が経った昨年には、「10年前の驚くべき出来事」としてクラブがこの歴史的瞬間を紹介している。
 
 この中村の活躍以降、本田圭佑や香川真司、内田篤人、長友佑都、岡崎慎司など、多くの日本人選手たちが、欧州最高峰のピッチに立ってきた。
 
 そして今シーズン、ドルトムントの香川が唯一の日本人としてCLの舞台に上がることになるが、そのパフォーマンスには、大いに注目したい。




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