【識者コラム】東京五輪後、新国立は「球技の聖地」となれるのか?

カテゴリ:特集

二宮寿朗

2017年08月18日

アクセスともに問題はない。あとは「見やすさ」という点をクリアできるか。

埼スタは臨場感のあるスタジアムで、「見やすさ」も申し分ない。ただ、アクセスには多少なりとも問題が……。(C)Getty Images

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 さて、日本最大のサッカー専用スタジアムと言えば、6万3700人収容の埼玉スタジアムだ。浦和レッズの本拠であるとともに、日本代表のホームのワールドカップ予選も、ほぼこのスタジアムで開催されてきた。今回のロシア・ワールドカップ・アジア最終予選4試合は、いずれも6万人近い観客を集めている。
 
 代々木公園内に、サッカー専用スタジアムを建設する案が出ているという一部報道があったが、4万人収容規模だそうだ。日本代表の試合を開催するにはひと回り小さい。となれば、最終予選レベルで埼スタ以外に受け皿となれるのは、8万人収容の新国立競技場が筆頭候補だ。
 
 埼スタはピッチまでの距離が近く、臨場感のあるスタジアムだ。しかし、代表戦となると問題はアクセス。日本各地からファン、サポーターが駆けつけるため、鉄道・電車の利用率 が高まるが、最寄り駅である埼玉高速鉄道の浦和美園駅はいつも人でごった返す。特に帰りの混雑はひどく、電車に乗るまでにかなりの時間を要する。試合終了を待たずにスタジア ムを出る人も少なくない。
 
 その点、新国立競技場のアクセスは申し分ない。JR、東京メトロ、都営地下鉄と3つのルートで駅から徒歩10分圏内にあるため、ストレスは大幅に軽減されるだろう。
 
 ただ、冒頭で「基本的に賛成」と記したのは、費用の問題はあるにせよ、〝球技の聖地〞とするには「見やすさ」という点がクリアされなければならないからだ。ファン目線に立って、臨場感をどこまで埼スタに近づけられるか。ただ単に「トラックを撤去して、席を増設しました」では、ファンはついてこない。

文:二宮寿朗(スポーツライター)


※『サッカーダイジェスト』2017年8月24日号(同8月10日発売)「THE JUDGE」より抜粋。
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