【ベガルタ戦記】渡邉晋の『日晋月歩』|「危機感」を選手には意識させ過ぎない

カテゴリ:連載・コラム

渡邉 晋

2017年08月15日

3バックはそれぞれ好パフォーマンスだった。

大岩はパトリックをほぼパーフェクトに抑えてくれた。椎橋のカバーも含めて、まさに期待通りの働きだった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 一貴を真ん中に置く布陣はルヴァンカップで少し試した程度なので、やり慣れていない部分もあっただろう。それでも、パトリックをほぼパーフェクトに抑えてくれた。若手の椎橋のカバーも完璧にこなす、まさに期待通りの働きと言っていい。
 
 また、その椎橋も好パフォーマンスだった。攻守でボールに対するポジショニング修正におけるマメさは、“らしさ”が存分に発揮されていた。走行距離は10.209kmで、3バックのなかではトップ。それは、数メートルの動き直しをサボらなかったからこその数字だろう。
 
 マス(増嶋)も強みであるビルドアップとハードな守備で貢献してくれた。広島に前からプレスを掛けられても慌てず、冷静にボールを回して回避することができていた。
 
 サポーターにも感謝している。この試合はアップの時から熱量が凄かった。普段とは違う出迎え方をしてくれて、「今日こそは」という強い想いを感じられた。試合後も同様だ。勝利後にのみ歌われる『AURA』をスマートフォンのライトをかざしながら歌ってくれていた。
 
 暑くなる前から「夏の夜空に合わせて」という計画があったのかもしれない。だが、なかなかそれを実現をさせてあげられず、8月中旬になってしまった。ようやく笑顔を届けられて「お待たせしてすみません」という気持ちと、「やはり勝つって素晴らしい」と改めて思った。
 
 ここから順位を上げていくために、降格圏に沈む広島をしっかりと叩けたのは大きい。下を見れば16位の大宮とは勝点7差で、決して油断はできない。
 
 しかし、上を見れば同じ7差で8位に浦和がいる。まだまだ上位に進出できると信じているし、そのための意識付けやトレーニングをこれからも続けていきたい。
 
構成●古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
 
※渡邉監督の特別コラムは、J1リーグの毎試合後にお届けします。次回は8月19日に行なわれる22節・新潟戦の予定。お楽しみに!
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