【FC東京】ベンチ外、志願した10番、大会MVP――。小林幹の葛藤と成長の1年間

カテゴリ:高校・ユース・その他

古田土恵介(サッカーダイジェスト)

2017年08月04日

「久保選手とは普段から感覚を共有できている」

前半の決定機は決められなかったが、79分に久保の先制弾をアシスト。83分にはトドメとなるPKも決めた。写真:田中研治

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 浦和ユースとの決勝戦は厳しいゲームだった。高いインテンシティと集中力を保ち、全員が運動量豊富で、激しく寄せ、身体を投げ出すのを厭わない相手にスコアを動かせない。前半のチームのシュート本数は9。
 
 37分にGK河畑の好判断のよって防がれた決定機。続く38分に強烈なショットをゴール左へと逸らしたものを含めて、小林も3本を放っている。
 
「守備陣がすごく頑張ってくれていて、攻撃もいい形を作れていました。あとは自分が決めるだけだったのに、そこが入らなくて……。前半が終わった時に申し訳ない気持ちがこみ上げてきました」
 
 0-0で折り返すと、浦和ユースが息を吹き返し、徐々に守る時間帯が多くなっていった。それに比例してピンチも増加。もはや「FC東京U-18がいつかゴールするだろう」という雰囲気は霧散しており、「どっちが先制してもおかしくない」状態となっていた。
 
 77分には自陣ペナルティエリア手前、ほぼ正面でFKを取られる危険なシーンも。それでも、苦境を撥ね返して得点を決めたのはFC東京U-18だった。79分、耳目を集める久保建英が角度のない位置から左足で決めた。お膳立てしたのが、小林だった。
 
 浦和守備陣が作る三角形に入ってボールを受けると、突っ掛けて内へと切り返す。ほぼコースを塞がれてはいたものの、シュートレンジ。マークを集中させて、走り込んできた久保へと絶妙なタイミングでノールックパスを出した。
 
「シュートをしようか、他のプレーを選択しようか。ちょっと迷っているなかで、後ろから久保選手が『ヘイ!』と呼んでくれた。位置はあまり確認できていませんでしたが、だいたいここにいるだろうなというのは分かっていました。
 
 ノールック気味でしたけど、久保選手とは普段のトレーニングから感覚を共有できている部分が多いですからね。パスを出したら、『得点を奪ってくれるだろう』という期待に応えて、素晴らしいゴールを決めてくれた。僕に1アシストを付けてくれて感謝しています」
 
 小林は謙虚に、照れ臭そうに笑った。
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