【FC東京】ベンチ外、志願した10番、大会MVP――。小林幹の葛藤と成長の1年間

カテゴリ:高校・ユース・その他

古田土恵介(サッカーダイジェスト)

2017年08月04日

「10番は自分から『付けたい』と主張した」

FC東京U-18が大会連覇。1得点・1アシストの小林は「ただただこのチームで優勝したかった」と喜びを口にした。写真:田中研治

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[日本クラブユース選手権(U-18)・決勝]浦和ユース 0-2 FC東京U-18/8月2日(水)/味フィ西
 
「大好きなチームメイト、スタッフ、サポーターと一緒に日本一を取れたのは嬉しいのひと言」
 
 浦和ユースとの決勝戦では1得点・1アシストを記録。結果を残し、大会MVPも獲得した小林幹は第一声でそう言った。記者にミックスゾーンで優勝が決まった瞬間の気持ちを問われた際のことだ。
 
 クラブ史上初となる大会連覇の立役者は、悔しさや葛藤とともにこの1年を歩んできた。昨年の優勝の瞬間はスタンドから見守っている。もちろん、戴冠を喜びはした。しかし、同時に「俺はなぜピッチにいないのだろう」という悔しさもこみ上げてきた。
 
 そんななか、新シーズンが始まると背番号10を志願した。日本トップの強豪・FC東京U-18で、特別な番号を背負うことの意味……。殻を破りたい想いもあったのだろう。重圧に潰されそうな時期もあった。
 
「自分から『付けたい』と主張しましたが、重みや責任はかなりのものでした。『他の選手が着たほうがいいのでは』という気持ちも生まれました。
 
『この番号を付けている限りは変なプレーはできない』『どんな試合でもしっかりとしたパフォーマンスを披露しなければ』という想いで戦っています」
 
 迎えた今大会、小林にはある変化が起こっていた。それは「チームのためにプレーする」姿勢がより強くなったこと。「ただただ、このチームで優勝したかった。その気持ちは勝ち進むたびにどんどん膨らんでいって、いつも以上に声を出せていたと思います」
 
 自分のユニホームに「10」という数字が付いている以上、周囲に認められるようなプレーをするのは当たり前。個人として結果を示すのは当然のこと。そのうえで引っ張っていくようなアクションを起こさなければならない。
 
「声を掛けるだけでプレーは変わってくる。声を出すのは誰にでもできることですし、勝つためですから」。1年前の“ピッチに立っていなかった自分”に対する後悔は、加速度的に小林を成長させていた。
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