"不勝"神話から"不敗"神話へ。ようやく目覚めた押谷祐樹から目が離せない

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2017年07月18日

「今日は相当出し切りましたよ。死ぬかと思うくらい(笑)」

【警告】名古屋=ワシントン(49分)、酒井(66分) 山形=茂木(51分)、鈴木(77分)、阪野(88分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】押谷祐樹(名古屋)

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 後半になると押谷の活躍は守備面で目立つようになったが、前述の通りそれもまた彼の特徴のひとつ。身体は大きくないが重心の低さを活かしたパワフルなチャージとボール奪取の巧さがあり、チームでも上位に位置するボールタッチの良さでその後の攻撃につなげるプレーも安定している。
 
 しかしこれまであまり出場機会を得られなかったのは、「彼の課題は連続性。サイドや前に置いておくと、自分で動いていないことに気づいていない」(風間八宏監督)という短所があったため。しかし「そのなかでボールが止まれば能力は高い」と技術の高さは認められており、練習や練習試合でもボランチで起用することで、その点を矯正させられてきたことがあった。
 
 そうした指揮官の意図ある指導と本人の「スタメンで出続けるためにはこういうチャンスを活かせるかどうか」という意気込みがようやく噛み合い、この日の1-0勝利というスコアに結実したのだから喜びは大きい。
 
「今日は相当出し切りましたよ。死ぬかと思うくらい(笑)。足もつったけどベンチを見たら交代の感じはなかったので、頑張ろうと思ってやりました」と語る表情は内容とは裏腹に笑顔だ。
 
「こうやって点も決められて、勝てたし、やっと“不勝神話”が崩れたから(笑)。それが一番嬉しいです」とも。何とも人間臭くて、応援したくなる選手なのである。
 
 負傷者続出のチームとしても、押谷の覚醒は朗報だ。サイドハーフの位置は激戦区であるとともに負傷者が最も出ているポジションであり、守備での貢献も期待できる背番号19に使えるメドが立ったのは大きい。「正直、内容よりも結果が大事な時期」と現状把握も冷静な男は、ここから“不敗神話”を築いていくことができるか。そのプレーの連続性をチェックポイントにしながら、今後もウォッチしていきたいものである。
 
取材・文:今井雄一朗(フリーライター)
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