• トップ
  • ニュース一覧
  • 【指揮官コラム】鹿児島ユナイテッドFC監督 三浦泰年の『情熱地泰』|25年でスタンダードに乗った日本に独自性は生まれるか <後編>

【指揮官コラム】鹿児島ユナイテッドFC監督 三浦泰年の『情熱地泰』|25年でスタンダードに乗った日本に独自性は生まれるか <後編>

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2017年07月04日

サッカーの魅力は人間の力で作り上げていってほしい。

選手として、監督としてJリーグに長年にわたって携わってきた三浦監督。その間にサッカー界を取り巻く状況も大きく変わってきた。(C) SOCCER DIGEST

画像を見る

 例えば、将棋はルールが変わらないのであれば、ゲームソフトのテレビ画面でコントローラーのボタンを押しながら指しても、魅力は保てるだろうか。木の板に木で作った駒を人の手で指して勝負を決める、というところに魅力はないのだろうか?
 
 サッカーはすべてを人の目で見てジャッジし、結果が決まってきたスポーツである。だからこそ、世界じゅうの人々から愛される世界一の競技なのではないか?
 
 その人の目で見て世界一を逃した国も、チームも、人もたくさんいて、人生が変わってしまった人もいる。
 
 もし、当時テクノロジーがあったのなら、その人たちは世界一になれなかったかもしれない。
 
 極端なことを言えば、未来のサッカーでは、ロボットがレフェリーをやる試合でこそ真の世界一が決められると、定義される時代が来てしまうのであろうか?
 
 話は変わるが、15年前に福岡でゼンリンの方に「ロボットを見に行こう」と誘われ、福岡ドームへ連れて行かれたことがあった。僕はまだ当時、現役選手で「連れて行かれた」という形だ。
 
 そこで僕が見たロボットで目指していたのは、人を救助する際に人間が入れない場所に(火災や地震)入れるようにする、という意味でのテクノロジー化。そしてロボットがサッカーをやっているコーナーでは50年後、「人間に勝つ!」を目標にしていると言っていた。
 
 面白い? くだらない?
 
 僕は「何を言っているんだ?!」と思いながらも、それから携帯がスマホに変わり、ツイッターやLINEなどのネットワーク社会など、どんどんデジタル化していった。
 
 今の流れなら、人の喜びはロボットが作ることになってしまう。今では、人の感情も人の動きも察知できるほど、技術は発展・進化しているという。
 
 勝負を決めるために、一番の脇役であり本来なら必要ないのが理想であるレフェリーがロボットになるなんて発想は、刺身で食べられる新鮮なものを炙って食べるような、乗せなくて良い珍味を米の上に乗せて食べるようなもので、どこか「違う」と感じてしまう。そんな方向には行かないでほしい。
 
 人の心は人よりもセンサーで機械の方が分かる時代が来たら……。
 
 アーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督のサッカーは魅力的で大好きなサッカーのひとつでありながら、彼がそれに賛同している記事を目にした。
 
 しかしまさか、ここまでのことは考えていないであろう。
 
 日本のJリーグがプロ野球のようにセパ6チームずつの2リーグではなく、グロバールスタンダードで引き分けありのリーグにしたように、サッカーの魅力を永遠に人間の力で作り上げていってほしい。
 
 とはいうものの、そのロボットを作ったのも人間。やはり人間のパワーは凄い。そして独自性を持つというのは凄いことだ……。
 
2017年7月3日
三浦泰年
【関連記事】
【指揮官コラム】鹿児島ユナイテッドFC監督 三浦泰年の『情熱地泰』|25年でスタンダードに乗った日本に独自性は生まれるか <前編>
ハーフナー・マイクが神戸に加入!出場は最短で29日の大宮戦
【広島】3度のJ1制覇も今季は低迷。「プロは結果がすべての世界」と森保一監督が退任
【小宮良之の日本サッカー兵法書】宮市へのエール――度重なる怪我にも屈しなかった先達に続け!
【C大阪】18番目のチームが首位へ! FC東京戦の逆転劇に見るユン・セレッソの進化と突き付けられた課題

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ