痛い思いが続きすぎると、立て直しが難しくなる。
しかし、そのセットプレーから逆に相手に隙を与えてしまう。68分の中盤左からのFKで、チアゴのキックが手前で引っかかり、FC東京のカウンターが発動。最初にパスが出たのは右の中島翔哉のところだったが、後方に残ってた清水の選手が一斉に中島のほうに寄って行ってしまい、逆サイドでは大久保とチアゴしかいない状況に。そして中島のパスが大久保に通ると、守備に不慣れなチアゴが大久保のドリブルを止めることができず、そのまま独走されて先制ゴールを決められてしまった。
「ボールに食いついて取る判断をするのか、(攻撃を)遅らせる判断をするのかというところで、(多くの選手が)ついつい前にかかってしまって、キッカー(チアゴ)が最後のディフェンダーになってしまったのは本当にもったいなかった」。試合を決めた失点シーンを、小林監督はこう振り返った。
人数は十分にいて数的優位は作れていた。だが、「カウンターだ。危ない!」となったなかでも冷静に周囲の状況を見ながら危険なところをカバーできる選手がいなかったことが、今の清水を象徴しているように感じる。それが意識の問題なのか、経験なのか、それとも個の資質なのか……あるいは、ひとつ勝つことで変わるのか。
簡単に答えを出すことはできないが、成熟した大人のチームに変わっていくためには、そこも克服していかなければならないだろう。
J1の厳しい戦いの中で、痛い思いをしながら少しずつ成長しているというのが、今季の清水の現状だ。ただ、その痛い思いが続きすぎると、自信を失い、より立て直しが難しくなってしまう。ここからの2週間のインターバルで、清水のスタッフや選手たちがどうリカバーしていくのかに注目したい。
取材・文:前島芳雄‘(スポーツライター)
「ボールに食いついて取る判断をするのか、(攻撃を)遅らせる判断をするのかというところで、(多くの選手が)ついつい前にかかってしまって、キッカー(チアゴ)が最後のディフェンダーになってしまったのは本当にもったいなかった」。試合を決めた失点シーンを、小林監督はこう振り返った。
人数は十分にいて数的優位は作れていた。だが、「カウンターだ。危ない!」となったなかでも冷静に周囲の状況を見ながら危険なところをカバーできる選手がいなかったことが、今の清水を象徴しているように感じる。それが意識の問題なのか、経験なのか、それとも個の資質なのか……あるいは、ひとつ勝つことで変わるのか。
簡単に答えを出すことはできないが、成熟した大人のチームに変わっていくためには、そこも克服していかなければならないだろう。
J1の厳しい戦いの中で、痛い思いをしながら少しずつ成長しているというのが、今季の清水の現状だ。ただ、その痛い思いが続きすぎると、自信を失い、より立て直しが難しくなってしまう。ここからの2週間のインターバルで、清水のスタッフや選手たちがどうリカバーしていくのかに注目したい。
取材・文:前島芳雄‘(スポーツライター)