【釜本邦茂・伝】日本人離れの超絶フィジカルを生んだ「秘伝のスープ」とは??

カテゴリ:特集

サッカーダイジェストWeb編集部

2017年06月02日

ハンバーグじゃなくスジ肉を食べさせてほしい。

20代前半の頃の釜本氏。すでに日本代表では不動のエースだった(右は小城得達氏)。(C)Getty Images

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 怪我といえば、現役の頃に一度、膝の腱を切ったことがあったんだ。2本あるほうの1本が切れて、手術をしきゃいけないとなった。ただシーズン中だったし、「ちょっとほっといて様子を見ましょうか」となって何日か経ったら、切れてたほうと切れてないほうがくっついて1本になってた。僕もビックリしたけど、お医者さんのほうがもっとビックリしてたね(笑)。
 
 そうとうに珍しかったみたいだけど、「あなたの筋肉は普通やない」と言われたよ。そんで、「ひとりだけあなたと同じ筋肉を持つひとを知ってます。王(貞治氏)さんです」と。太くてしっかりとした骨で、筋肉は柔らかくて強い。
 
 ボールをインパクトするぎりぎりのタイミングでは、タメを作るための土台の強さが問われる。トレーニングをたくさんやれば強い筋肉は付くんだろうけど、しなやかな筋肉は、いい骨がないと付かないんだ。だから成長期にどんな食事をしていたのかは、とても大事なんだと思う。
 
 よくサッカー教室などを通じて、父兄の方々には説明しているんだ。鶏がらスープとまではいかなくても、好き嫌いなく、いろんなものを食べるように言い聞かせてくださいと。で、ハンバーグじゃなくスジ肉を食べさせてほしいと。スジ肉は固い。だから強く噛むようになる。だから奥歯の力が強くなる。踏ん張れるようになる。噛みきって胃が消化して、腸も吸収して、内臓全体も強くなる。
 
 踏ん張れる強さのある選手というのは、顔のエラが張っているんだ。よーく見てほしい。生まれつきの張りじゃないよ。アフリカの選手なんてみんなそうじゃない?
 
 日本の食文化にも根ざした部分があるのかもしれないし、スジ肉なんて子どもたちは嫌うかもしれない。でも、親御さんが考えて、食べさせてほしいんだ。ご家庭の会計の面でもスジ肉のほうがいいに決まってる(笑)。なかなか実践してもらえないんだけどね。
 
 身長についてはどうにもならないところはあるかもしれないけど、考え方や、口に入れるものひとつで変えられることはあるということ。フィジカルが弱いからどうこうとする前に、やるだけのことはやって強くしたうえで、次になにをすべきかを考えてほしい。僕はそう思うね。
 
構成:川原崇(サッカーダイジェスト)
 
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PROFILE
かまもと・くにしげ/1944年4月15日生まれ、京都府出身。現役時代はヤンマー(現セレッソ大阪)でプレー、17年間で日本サッカーリーグ(JSL)通算251試合に出場し、202得点をマークした。1968年のメキシコ五輪では得点王に輝くとともに銅メダルを獲得し、日本代表での最多得点記録(75得点/76試合)を持つ。アジア最高のストライカーとしての名声を欲しいままにした。日本サッカー協会・前名誉副会長。親しいひとの間では「ガマ」ならぬ「ガマッチョ」が愛称になっている。
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