29歳でアルゼンチン代表初招集! イタリア代表入り絶たれた小兵アタッカーが念願を叶える

カテゴリ:ワールド

サッカーダイジェストWeb編集部

2017年05月23日

イタリア代表監督も招集を望んだがFIFAの回答は…。

アルゼンチンU-20代表時代のゴメス(右)。現ワトフォードのサラテ(左)もチームメイトだった。(C)REUTERS/AFLO

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 実際、アッズーリのジャンピエロ・ヴェントゥーラ監督も昨年11月上旬、「ゴメスはずば抜けた才能を持っている。将来的に可能かどうか検討中だ」と興味を認める。そしてイタリア・サッカー連盟は招集がルール的に問題ないか、FIFAに問い合わせをしていた。
 
 しかし、11月下旬に出たFIFAの回答は「NO」だった。アンダー世代で別の国のユニホームを背負った選手は、A代表時に一度だけ国籍変更が認められている。例えばブラジルU-23代表歴があるチアゴ・モッタ(パリSG)は、このルールを使ってイタリア代表入りしていた。ただ、これが適応になるのは、最初のFIFA主催大会出場時に二重国籍だった血縁がある選手のみ。つまり、2007年のU-20ワールドカップ出場当時にイタリア国籍を持っておらず、イタリア人の祖先もいないゴメスは、アッズーリ入りの資格がないというのがFIFAの見解だった。
 
「イタリア代表は僕が欲しいと言ってくれたけど、アルゼンチン代表でU-20ワールドカップに出ていたから不可能だった。でも、彼らが誘ってくれたことを大きな誇りに思っているよ」
 
 今年2月に気丈にもそう語ったゴメスは、ピッチでも躍動。最終節を残した段階で15ゴール・12アシストの大活躍を演じ、望外のヨーロッパリーグ出場権を獲得したアタランタの攻撃陣を引っ張る。ミランやローマなどビッグクラブからの関心も高まった。
 
 そして、前述した通りのアルゼンチン代表初招集。2009年のアンダー世代の新善試合以来となるアルビセレステ(白と空色の意)を纏うゴメスは、『インスタグラム』にU-20代表時代の写真とともに次のようなコメントを掲載した。
 
「8年後、フィールドでの多くの犠牲と汗によって、このユニークでまたとないチャンスを得た。家族や友人、仲間たちに感謝します。常に全力を尽くしてきました。愛のあるメッセージやお祝いの言葉をありがとう」
 
 生まれ育ったアルゼンチンとプロキャリアを積んだイタリアの狭間で揺れた小兵MFは、29歳にしてついに代表キャリアをスタートさせる。6月の親善試合(9日のブラジル戦と13日のシンガポール戦)では、イカルディとともにゴメスにも要注目だ。
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